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こらぼでほすと 襲撃1

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「まあ、あんたのとこには、親衛隊がいるからなあ。」
 本日は、ウィークディでトダカも一人だが、普段はアマギが付属物のように付き従って

いる。下手をすると十人近くが随行なんてことになっていたりするから、親猫に頼む用件

がない。
 三蔵のところは、その点、実際に用件があるから疑われることはないので、トダカが頼

みに来たのだ。とりあえず、こちらに隠しておけば、悟られたとしても三蔵が睨んでいれ

ば問題はない。



 以前にも、三蔵のところには長期滞在しているから着替えやらは置いてある。だから、

今、読みかけのライブラリーの本を数冊、手にして出かけた。
 場所のほうも勝手知ったるところなので、気楽なものだ。午後に顔を出したら、三蔵は

居間のほうで仕事の書類を作っていた。ここの家は、全てにおいてセルフサービスなので

勝手に玄関から上がりこむ。
「こんにちは。」
「よおう、茶。」
「はい。」
 挨拶するほどのこともないと三蔵は思っているので、いきなり用事を言いつける。もち

ろん、ロックオンのほうも慣れたもので居間に手にしてきた本を置くと台所へ入る。
 さっさとお茶を淹れ、卓袱台に置く。何事かの書類を手にしていた三蔵が、それを置い

て、湯飲みに手を遣る。
「この地域では、春は大陸から黄沙っていうのが飛んでくる。これが、ものすごく粒子が

細かくて、すぐに本堂の飾りに積もりやがるんだ。乾いた布とハタキで、その砂を払って

くれねぇーか?」
 そして、単刀直入に用件も切り出す。頼みますとかお願いしますとかいう文句も一切な

い。時期としては、すでに終わりの時期になっているから、これは方便というものだ。も

し調べられたとしても、三蔵なら、そういう理由にして呼び出しただけだ、と、突っぱね

ても怪しまれない。
「大陸から? へぇー偏西風ですか?」
 もちろん、頼まれたほうも気にしていない。いちいち、美辞麗句のやりとりはしなくて

いいと相手からも言われているし、すでに気楽な友人みたいなものだから、だ。
「おう、ちょうど、ここが通り道になるのさ。急ぎじゃないんだが、これが梅雨時分まで

続くから、二人だけで掃除するのも面倒でな、暇なおまえにやってもらおうと思った。」
「つまり一ヶ月くらいかかるわけですか。・・・・まあ、うちのやつらが戻って来ない限

りは、俺も暇だから。・・・・・ところで今晩のリクエストは?」
「和食にしてくれ。」
「はいはい。じゃあ、冷蔵庫と相談してきます。」
 以前、洋食は苦手なんだ、と、この坊主に言われて、自分の作れるメニューに和食と中

華を増やすことになった。お陰で、今では、一通りのメニューをこなせるようになったの

で、どんなリクエストにも対応可能なロックオンは、自分のお茶を飲むと立ち上がる。



 さて、親猫を追い出したラボでは、キラとアスランまでやってきて、臨戦態勢で情報収

集に勤しんでいる。アレルヤに危害を加えられるようなことがあれば、即座に奪還するた

めに、居場所だけでなく、その処遇の決定などにも目を光らせている。
「殺すつもりはなさそうだな。」
 情報を確認している虎は、そう呟く。
「超兵だとバレているから、そういう意味で研究対象でしょうからね。後は、どこへ収監

されるかですか。」
 命の危険がないことはわかっているが、あまり居心地のよくないところでは可哀想だと

アスランは意見を吐く。
「あーもー面倒。いっそ、奪還する? 」
「だから、それやったら武力介入に加担だからダメだってばっっ、キラ。」
「別に加担じゃないもんっっ。たまたま散歩してたら拾うんだもんっっ。」
 キラは、ごく普通にそう弁明するが、ニャリと鷹は笑って、その内幕をバラす。
「散歩と称して、正体不明のMSで急襲して、そこの施設破壊して、そこから、転がり出

てきたものを拾うっていうのは、どーいうもんかなあ? キラ。」
「ムウさんだって道に邪魔なものがあったから蹴飛ばすよね? それと一緒。」
「でけぇー邪魔なものすぎるだろ? それは。」
「かわいそーだよ?」
「それでもダメ。それやったら、おまえも参戦だと見做されるぞ? 」
「うーーーー」
 戦争反対なんてことは言わない。無抵抗主義でもない。やられる前にやり返すぐらいの

ことはするが、それだって、こちらに敵意を向けられていれば、ということだ。もう戦い

たくないし、悲しみの連鎖なんかに捕まりたくない。だから、『吉祥富貴』に存在するも

のは、自らが戦端になるようなことはしないのが、決まりごとだ。こちらに引き入れたい

と思っているものたちの生命の危険には活動するが、それ以外は表立って動くことはない

。アレルヤの所在を把握はするが、奪還はできない。処刑される情報が入れば、すぐにで

も奪還するが、それも秘密裏にが望ましい。
「紫子猫ちゃんが、歌姫様にねじ込んできたんだろ? そっちのほうは?」
 ハイネが機体の整備から戻ってきて、コーヒーを一口含む。万が一、飛び出すことにな

るかもしれないと、整備のほうもおおわらわの状態だ。
「『教えない』と、突っぱねたそうだ。」
「ははははは・・・そりゃ危険だな・・・・それでママを避難させたのか?」
「もうママに頼っちゃいけないんだと教えるには、いいだろう。黒子猫も親離れの準備に

なる。」
 マイスター組のリーダーだったから、行動の規範になっていただろう親猫が相談に乗っ

てやるぐらいのことは黙認するが、どう考えても、子猫たちは一緒に行動させようと考え

そうで、怖い。今現在の体力で親猫がMSなんぞに搭乗しようものなら耐Gで確実に肺を

壊すだろう。もうそういうことはできないのだと理解しているつもりでも、どちらもやり

そうだから、それだけは阻止するつもりだ。マイスターはリタイヤして、ただの一般人に

戻ったのだと、どちらにもわからせておくために引き剥がすことにした。
「悟空が居るから退屈する暇もないだろうしな。・・・・こっちに戻って来ない限りは情

報も流れないか。」
「そういうことだ。しばらくは、クラブのほうは縮小営業にするから、こっちに詰めてい

てくれ、ハイネ。」
「了解。」
 実働部隊に参加するだろう人間は、ローテーションを組んで、こちらに常駐させる。奪

還となれば、それなりの人数と機動力が必要となる。『吉祥富貴』は、基本、予約客だけ

だから、指名されているものがいれば問題はない。
「トダカさんと八戒が居れば、どうにか捌いておいてくれるしな。・・・・あと、ママの

ほうか?」
「そっちは、トダカさんとこの親衛隊が適当に担当してくれるらしい。さすがに、あのチ

ビ猫も、エクシアで寺へ襲撃はせんだろう。」
 生身のチビ猫を排除するということぐらいなら、悟空だけでも可能だ。悟空が学校へ出

向いている間だけ、トダカーズラブの面々が、適当に警護することになっている。いきな

り接触されて泣きつかれると、マズイから、そちらも警戒することになった。軌道エレベ

ーターで降りてくるなら、それは、キラの張っているネット上の網にひっかかる。だから
作品名:こらぼでほすと 襲撃1 作家名:篠義