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こらぼでほすと 襲撃1

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、それからでも十分間に合うので、親衛隊は本格的に動かしていない。
「まあ、三蔵さんが最終的に追い払うだろうけどな。生身で遣りあうっていうなら、あの

人も怖い相手だ。」
 生身で喧嘩なんてことになってくると、三蔵はかなり手強い相手になる。実戦で鍛えて

いるから、いくら純粋培養テロリストの子猫たちといえど、刃向かうのは危険な相手だ。

なんせ、三蔵のブツは飛び道具だし、破壊力抜群のマグナムとくるから、普通は相手にし

たくない。
「それで悟浄と八戒だもんな。俺は、死にたくないな。」
 肩を竦めてハイネが苦笑する。 もちろん、連絡が入れば、ふたりも参戦する。あのふ

たりだって、武器が特殊すぎて、普通には戦えない相手だ。それだけてんこ盛りの妨害者

があると、いかな子猫たちでも、親猫と接触は出来ないだろう。
「ただし、ママに気づかせないっていうポイントがあるんだけどな?」
 そこが問題だよ、と、鷹は笑っている。
「たぶん、刹那は、ここに来るよ、ムウさん。そうなったら、僕が相手するからね。」
 アスランも手を出しちゃダメ、と、キラは注意している。最高のコーディネーターであ

るキラが相手となれば、最新鋭の刹那のエクシアでも対抗するのは難儀なはずだ。
「キラ、刹那は本気でくるんだけど?」
「それなら、僕も本気。」
 性質が悪い、と、鷹は爆笑して、ぽんぽんとアスランの肩を叩く。種割れモードのキラ

は最強だ。下手に援護しようとすると、被害がこちらにも降りかかる。
「それが一番有難い展開だな。ここでなら、いくら暴れても、どこにも察知されない。・

・・・キラ、現れたら迅速に動きを止めてくれ。多少、傷つけてもかまわん。」
「うふふふふ・・・ちょっと楽しみなんだよね。エクシアの機動性は、フリーダムより高

いから、どういう攻撃なのか、見てみたい。」
 刹那とMSでの模擬戦は何度かやっているが、エクシアではなかったから、その機動性

が刹那に付加されると、かなり手強くなるだろうと、キラも予測している。実際に、それ

を体験できるのは、大明神様には、お楽しみとなるらしい。ラボの上は歌姫の別荘だし、

ここには、周囲に電波妨害もさせてあるから、この上空で、本気のMS戦となっても、ど

こにも察知される心配はない。結論からすると、黒子猫のMSさえ動けなくすれば、CB

側からの接触は怖いものではない。
「まあ、いいんじゃないか? せつニャンも、あの虎の子を動けなくされたら、奪還自体

が不可能になるからな。」
 稼動しているMSはエクシアだけだ。それが動けなければ、奪還できないのは事実だろ

う。まだ、あちらはアレハレルヤたちの所在すら掴んでいないのだ。
 こちらから情報をハッキングするという手もあるが、どっこい、こちらのセキュリティ

ーは、天然電波の大明神が構築したものだから、おいそれと破れるものではない。全制御

型のシステム通称『ロクロクちゃん』は伊達ではない。大きなサーバーもしくはマザーに

は、『ロクロクちゃん』が、こっそり配置されていて、どこからの攻撃でも察知できる仕

組みになっているし、ハッキングのアクセスがあれば、直ちに、そちらのサーバーたちを

乗っ取って攻撃も侵入も無力化できるように配置されている『ラクラクちゃん』という防

御システムもあるのだ。キラの目の前のパネルには、たくさんのウインドウが展開してい

て、それらの動きが映し出されている。
「エターナルのほうは、イザークたちが陣取っているので、刹那が飛び出してくれば、連

絡が入ります。」
 アスランも、別のパネルにウインドウをガンガンと開けて、こちらは実際の各方面の動

きを掌握している。
「でも、ヴェーダは動いてないよ? アスラン。」
「そんな些細なことは無視なんだろう。ものすごい演算をしているところを見ると、新し

い組織の構築に余念がないんだろうな。・・・・『アロウズ』っていうのを、ヴェーダの

隠れ蓑にするつもりか? やってくれる。」
 一番ヤバそうなマザーは稼動全開だが、こちらの情報には触れていない。マイスターな

んて、どうでもいいということらしい。CBの組織は、崩壊したものと認識されているの

か、ヴェーダを掌握しているモノたちは、別のことで動いている様子だ。こちらとしても

、それは有難い。あちらがちょっかいをかけてくると、キラは、そちらに集中しなければ

ならないから、刹那の襲撃を防げない。
「せいぜい、地球連合創生遊びに集中してもらえ。あんなもの、まやかしにすぎん。」
 虎はシニカルな笑いで頷く。世界をひとつにするのは、とても難しいことだ。宗教観や

民族、国ごとの力関係など、たくさんの思惑が交差する統一なんてものは、簡単なもので

はない。ひととき、平和にすることは可能だが、継続は難しい代物だ。とりあえず、新し

い連合の構築をさせていれば、他への干渉はできないはずだから、作らせればいい。誰も

に納得のいく連合なんてありはしないし、そこから不協和音が奏でられれば、すぐに崩壊

するような砂上の楼閣だと、ここにいるものは理解している。
 過去、それをイヤというほど味わった。ひとつになるには、たくさんの犠牲を要するの

だとも学んだから、ひとつにならなくていい、と、結論させられた。
「それは、あちらにお任せだ。うちは、せいぜい、のらりくらりとかわして隠れているこ

とにしようぜ、虎さん。」
 鷹も、そう言って笑っている。
「アレルヤの居場所が確定したら、奪還する手筈だけは整えるよ? 」
「整えるだけだぞ、キラ。勝手に散歩に行くなよ。」
「わかってるよ。」
 いざとなれば、飛び出すこともできるが、とりあえず、刹那たちの出方を見てからにな

るだろうと一同は、まだ動きのないCBのことを考えている。




 悟空は、無事に大学生になった。これといって、学びたいものなんてなかったのだが、

保護者から最低四年間は通え、と、厳命されたので、渋々ながらも通っている。高校と違

って、自分でカリキュラムを選ぶから取り方次第で時間も自由にできるので、バイトでも

するか、と、考えている。
「悟空、おやつ。」
 で、大学生になったにも拘らず、自分のママは、十時や三時におやつを用意するので、

ちょっと困ったりする。
「自分でやるよ、ロックオン。」
「いや、三蔵さんのお茶を用意するから、ついでにな。」
 ほら、おいで、と、手招きしているロックオンに悪気はない。子供扱いされるのは仕方

がない。そういうふうに、自分もママに甘えているからだ。刹那が、なかなか地上に降り

て来れないから、刹那の代わりになっているのが、本来の目的だが、すっかり、ママに馴

染んでいるのも事実だ。余所余所しいから、さん付け禁止なんてことになって、より一層

、ママになっている。
「掃除も、俺がするから無理しないでよ? 」
「でも、俺は、その用事で呼ばれたんだぞ、悟空。」
「あんなの、ロックオンを呼び出す口実じゃんか。三蔵は、いつも言い訳考えて呼ぶんだ

から本気にしなくてもいいんだよ。」
作品名:こらぼでほすと 襲撃1 作家名:篠義