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こらぼでほすと 襲撃3

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「俺にも好みがあるから問題ねぇーよ、ママ。」
「いや、そこじゃねぇーだろっっ。」
「キラだって、マグナムぶち込まれるほどの悪戯はしねぇーさ。アスランが止めるからな。」
 この人かなり本気だな、と、ロックオンが頬を引き攣らせる。その様子に、アマギは爆笑している。坊主が本気で容赦がないのは身を持って体験しているからだ。
 それから、外出時やマンションの掃除なんかには、トダカ親衛隊の面々と顔をあわせた。仕事で、こちらに出向いているから、空き時間にぶらぶらしているのだ、と、一様にみんなが説明する。マンションの掃除は、トダカが、「うちのを連れて行きなさい。」 と、手配してくれたので五人も現れたのには驚いた。なんだか、ここんとこ、寺の内にいる時しか1人にならないことには気付いた。だが、これも偶然と言われれば、それまでだ。どっかでひっかかるのだが、まだ事態が把握できていないロックオンは、何かおかしいとはわかっても明確に断定できる材料は手に出来なかった。



 一週間が過ぎる頃、ようやく収監場所が確定した。テロリストであるから、ある程度の薬剤なんかの使用は阻止できなかったが、最低限の安全だけは、適当に横槍を入れて確保した。
 確定した情報からして、処刑されることはないらしい。それが判明しただけでも、ラボにいるものは安堵した。
「まあ、一応、警戒はしておくべきだろうな。しばらくは、追跡しておけよ? キラ。」
「MSで奪還とかもなし? 」
 鷹は、引き続きの監視はするつもりだが、処刑の心配がないなら実働部隊も出番はないと判断した。本日はシンとレイもラボに詰めていたのだが、鷹の説明に、残念そうな顔はした。
「なしだろうな。うちは、アレルヤが殺されるような場合のみ救出だから、ただの収監ってことなら静観する。シン、レイ、おまえさんたちは、もう詰めなくていいぞ。通常体勢に戻れ。」
「では、アレルヤは、CBが奪還するまで、あのままですか? 鷹さん。」
「そういうことになるな。なんだ? 同情か? レイ。」
 あいつらは、あの程度の罰で済むような軽いテロリストじゃないんだぞ? と、鷹は同情するレイを嗜める。本来なら、その場で処刑になってもおかしくはないのだ。
「それは理解しています。」
「同情しなくてもいい。それから、店のほうにママがいるが、ラボは改装修理中ってことになってるから、ここは使えない状態だと言えよ? 」
「わかっています。そちらのヘマはしません。・・・・それに、俺たちも学校の課題が溜まっているので、しばらくは店には顔を出せません。」
 一応、出来る限りという条件で、こちらに詰めていたが、MSの整備やらキラたちのフォローをしていた加減で、休んでしまった科目もある。そちらは課題を提出するということで担当教授とは話をつけているが、まだ、ほとんど手付かずだ。
「でもさ、まだ、刹那が残ってるぜ? 鷹さん。」
 シンは、もう一方のことが片付いてないと指摘する。刹那がエクシアで降下してきたら、やっぱり実働部隊が捕獲しなければならない。それも早急に、が望ましい。
「それは僕の担当だから、シンたちはいらない。」
「「え? キラさん?」」
 シンとレイが、キラの言葉にツッコミを入れる。最新鋭のエクシアに、キラだけというのは危険だろう。
「心配しなくても、飛び出したら、まずエターナルからイザークたちが出る。そこで引き止められたら、それでいいし、突破されたら、俺とキラで対処する。あまりたくさんで対峙すると、本気で危ないからな。」
 シンたちの反応に、アスランが声をかける。複数で相手となると、被害も甚大になる可能性がある。パワーの問題なら、SフリーダムとIジャスティスだけでも対抗可能だ。後は、いかに被害を少なく、エクシアを捕獲するかだけだ。そういうことなら、キラが本気を出せば、刹那を押さえ込めるだろうとアスランも予測している。実戦経験値の高さと種割れモードがあれば、キラは、今のところは最強だ。刹那は、まだ経験が浅いし地上戦の経験は少ない。最悪、相討ちでもいいのだ。
「けどさ、アスラン。あいつのは実剣配備なだけじゃないんだろ? いくら、キラさんだってさ。」
「シン、僕の実力は刹那に劣るっていうの? そりゃ、僕は一度、きみに堕とされているけど・・・あれ、一対一じゃないからね。」
「わかってますよ。そうじゃなくて、心配だから参加させろって言ってんですっっ。何があるかわからないでしょ? 俺とやった時だって、俺の機体の特性で勝ったんだ。そういう不確定要素はあるんだからっっ。」
「キラさん、何も俺たちは、あなたが負けるなんて思っていません。周囲の警戒とか、エクシアの回収とか雑用があるだろうから、参加させて欲しいだけです。レジェンドとディスティニーには、周囲の電波を撹乱させるシステムを搭載しています。」
「けど、いつになるかわからないんだぞ? おまえらも、そろそろ出席日数の問題もあるんじゃないのか? レイ、シン。」
「まだ大丈夫です。宇宙から降下してくるのなら、大学に居ても間に合うはずです。連絡だけはしてください、アスラン。」
 キラは「白い悪魔」なんて呼ばれているが、何が起こるかわからないのが戦場だ。それに、刹那は本気で仕掛けてくる。万が一というのは、起こりうるのだから、レイもシンも真剣だ。
「わかったわかった。エターナルが取り逃がしたら、連絡は入れる。それでいいだろ? とりあえず、今すぐじゃない。黒子猫は、まだエクシアの調整で、あちらのラボに篭っているんだ。エクシアの調整が終わるまでは飛び出してこないから、とりあえず通常体勢な? 」
 鷹が取り成して、ようやく議論を収束させる。本気の刹那が、強いというのはわかっている。だから、誰もがキラを心配するのだ。だが、鷹とアスランは、それが杞憂だと思う。本気になったキラも、とんでもないからだ。特に種割れバーサーカーモードなんて二度と会いたくないくらいに強いし、えげつない。
「あのな、俺が最新鋭機で、キラがフリーダムでさ。それで、おまえ、俺は三秒でダルマになったんだぞ? 」
「それを言うなら、ムウさん、俺だって最新鋭機で、キラはフリーダムで三秒でダルマでしたよ。」
「ついでに付け足すならさ、それで不殺なんだぜ? つまり、まだ本気じゃないんだよな? 」
 ハイネが、鷹とアスランの言葉に付け足す。動きを止めるために、MSの頭部と両手両足をちょん切ったわけだから、本気のバーサーカーではなかったのだ。ちなみにハイネは、アスランがダルマになる前に、戦線離脱しているので僚友の最悪に格好悪いシーンは見逃している。
「だってぇームウさん、記憶喪失だったから話聞いてくれなかったしぃー、アスランは、また流れに乗せられて、おかしなことになっちゃってたし、だもん。とりあえず、止めないとダメだったよ? 」
「うん、キラ。それはわかってる。でも、普通、ダルマはできないから。」
「てか、あんだけ容赦なくダルマにしないって。」
作品名:こらぼでほすと 襲撃3 作家名:篠義