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かぐたんのよせなべ雑炊記

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かぐたんのぷちぷち☆ふぁんたじぃ劇場



【1】 かもとりかぐたん

むかしむかしあるところに かぐたん というげんきでかわいくてかしこくてひのうちどころのない、でろべっぴん☆な美少女がいました。
かぐたんはじぶんのくいぶちはじぶんでかせぐ主義でした。
はたらかざるものくうべからず! かぐたんはまいしょくまいしょく、ちかくのかわでかもをいちわずつとってまるやきにしてたべていました。ほねまでのこさずばりばりたべました。はねはあつめておいてふかふか羽毛布団にしました。まちへもっていくとなかなか高値でうれるので、そのおかねでかえりみちにばすえのスナツクに寄って、鬼バ……あだーじょまだむのこさえるうっすいおれんじかるぺすを飲むのがなによりたのしみでした。
そんなある日のことでした。かもさんたちのあいだで鳥イソフルが大流行しました。かぐたんはあせりました。
――はやくかもさんたちを食べてあげないと、私のおなかにはいる前にみんなびょうきになってしまう!
かぐたんはむちゅうでかもをとってとってたべまくりました。いっしょくいちわとケチくさいことはいわず、なんわでも入るだけ、入らなくてもむりやりたべました。――ありがとう、ボクたちがびょうきになるまえにおいしくたべてくれて、つばさをあわせてかぐたんをおがむかもさんたちのこえが、かぐたんにはきこえるようでした。
こうしてついにかもさんたちはいちわもいなくなりました。みんなかぐたんのおなかのなかに入ってしまったのです。満タンのかもにくと慈愛にふくれあがったかぐたんのおなかはそのときビッグバンの光を放ち、しんわとなりました。
こうしていま、わたしたちがみあげている空は、かぐたんのいぶくろのうちがわなのかもしれません……(えええええ!!!)

おしまい♪


【2】 兄ゼルといもーとデル

昔々あるところに 兄ゼルといもーとデル というでろべっぴん☆な美形兄妹がおりました。
ふたりがうまれたさとにはきびしいおきてがあり、彼らががくれいじどうになるかならないかのころ、兄ゼルといもーとデルは親からぽいっと森におきざりにされました。ふたりのせいめいりょくをためす試練です。もどってこられたものだけが、いちぞくとしてみとめられるのです。
兄ゼルはいつもアホの子みたいにニコニコへらへらしていましたが、これでなかなかのキレ者でした。
家を連れ出されるときに、道すがら、こっそりすこんぶをちぎりながらまいておいたのです。――よーし俺はフツーに家に帰れるぞ、あとはいもーとデルをどう捲いていくかだ、血をわけた兄妹とはいえ、弱肉強食の闘いはすでにはじまっていました。
「……んっ?」
そのときでした。兄ゼルは気がつきました。うしろにいたいもーとデルの口のまわりに、すこんぶの白いこながもそもそくっついていることを。
「おまえ!」
兄ゼルはれっかのごとくいかりくるいました。
「バカヤロウなんで食うんだよッ」
「ほぇ?」
いもーとデルはぺろりと舌なめずりをして首をかしげました。食い意地の張った妹の前に、しかもこうぶつのすこんぶをまいて歩くなど、けっかは火を見るよりあきらかです。兄がキレ者という表現は少々誇張があったというべきかもしれません。
「……。」
虫の居所が悪い兄貴は妹に当たり散らしました。妹も負けじとおうせんしました。壮絶な二人のバトルに森の木々は薙ぎ倒され、本気のクロスカウンターに散った火花が枯れ草に燃え移り、たちまち広がった火事は森を呑み込む大惨事となりました。三日三晩、もえさかった炎がしぜんちんかし、やがてもうもうと立ち込める煙が晴れたころ、いちめんのやけのはらの向こうにぽつんとちいさく家のあかりがみえました。
「……やぁ、帰ろうか」
腫れ上がったまぶたでにっこりわらって兄がいいました。
「うんアル、」
両穴から鼻血だらだらタレながら妹もうなずきました。
こうしてふたりはなかよく手をつなぎ、いのちのきえた灰燼のみちをまっすぐおうちにかえりました。
両親は無事戻ってきたふたりをひしとだきしめ、おなかいっぱいゴハンをたべさせてやりました。まずは序の口、第一段階クリアです。イイハナシダナー、と思わせておいて残・酷・物・語★ おしまい♪


【3】 かぐゆきひめ

昔々、諸々諸事情あって森の作業小屋に暮らす かぐゆきひめ というでろべっぴん☆な美少女姫がおりました。
姫はたいそう愛らしい容姿をしておりましたが、唯一(?)欠点があるとすれば食い意地が尋常でなく張っているということでした。
今日も姫は用意された食事を他の六人のヘイホーさんたちの分までまったく遠慮なしにぺろりと平らげ、あげく、
「でざーと! でざーと!!」
放逐されて随分経つというのに城での我儘放題の姫気分が抜け切れていないのでしょう、自分はいっさい動こうとせずに、スプーンでカンカン皿を叩いては、森の仕事で疲れ切っているヘイホーさんたちに要求するのでした。
食うだけ食っておねむになった姫が七人分のベッド占領してグースカ寝こけている傍で、我慢の限界を超えた六人のヘイホーさんたちは額を突き合わせて密談しました。
結果、食っちゃ寝の姫は七人目のヘイホーさんとして降格させられ、新しい姫役が迎えられることとなりました。
やってきた新姫は楚々とした長髪に白い着物の学者肌でした。
ヘイホーさんの一人(天パ)はたちまちのぼせあがりましたが、姫先生はヘイホーさんたちの中でいちばんヘタレな年長のグラサンおじさんヘイホーさんに萌え萌え☆のようでした。もふもふ真っ白のデカわんこ(あっちょっとカブった)とオバケ着ぐるみとメガネヲタ少年と真顔が胡散臭いロンゲヘイホーさんは普通に先生に懐きました。
元姫ヘイホーさんだけが、――私が ひろいん★ だったのに!
ヘソを曲げてしばらくつんけんしていましたが、姫先生が今までこわくて誰も手をつけられずにいた、森にどっちゃり生えていたきのこをほんぞう学のちしきをいかしてひとつひとつずかんと突き合わせ、「食べられるもの」と「食べると↓↓なもの」(さいあく氏ぬ)と「食べると↑↑なもの」(ちょうしこいてやりすぎるとやっぱりさいあく氏ぬ)にきっちり分類してくれたので、以来きのこ料理で腹いっぱい満足できるようになった元姫ヘイホーさんのわだかまりもあっさり解けましたとさ、めでたしめでたし♪


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