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みとなんこ@紺
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Hey Mr.travellin' Man

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あまりジロジロ見るのは失礼だとは判っているのだが、普段はキリッと軍服に身を固めた人が、こうして妙齢の女性を感じさせる姿をしていると、隣にいるとちょっと落ち着かない。
以前に鉢合わせした事件で、一度彼女のこういった姿は見ているのだが、その時は色々ドタバタしていたのでそんな事を思う余裕もなかったんだけれど。ついでにそんな事を表に出せば、鋼のもお年頃だな、とか何とかからかってくるのがここにいるので、えー、普段と同じ普段と同じ。
しかしそんな兄が意識の切り替えに苦労しているのを余所に、元々年上の綺麗な女の人に弱い弟は「似合いますね」とか何とか純粋に嬉しそうにしながらも普通に話し掛けている。
「アル・・・」
「え?どうしたの、兄さん」
さっきからお前、お兄ちゃんの複雑な心境を察する心遣いはないのか。
ないのか。ないよな。時として、兄<<上官<<<<綺麗なお姉さんだもんな、お前。
そんなぐれた縮図が勝手に兄の中で展開しているのを知らず、弟はへんなの、と大変失礼な感想をくれた。
そこで改めてホークアイに視線を向ければ、彼女も訝しんでいるのか、僅かに小首を傾げながらも笑みを返してくれた。
彼女もまたすっきりとした落ち着いた色のスーツ姿に、普段とは違い髪を下ろして眼鏡をかけている。なるほど、こちらは文句なしに有能な秘書、といった感じなんだが。
・・・・・・。
くるりとまた視線を巡らせると、窓際の男と目があった。
「…何か言いたげだな」
「あー…うん」
さっきの設定についてだが、根本的な問題があるような気がしないでもない。
「・・・どっちかってーと、青年実業家と秘書ってゆーより、金持ちの放蕩息子とお目付けって感じだよな」
窓に肘をついて頬杖をついていた男の頭がカク、と落ちた。
「…君は私をどういう目で見てるのかね」
「ありのまま見てるつもりだけど」
「兄さん…」
何か知らないけど、変な方向で仕返ししない、と。アルフォンスは大きな溜め息をつくように、肩を落とした。



作品名:Hey Mr.travellin' Man 作家名:みとなんこ@紺