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こらぼでほすと 襲撃9

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「ちょっ、三蔵さん、それ、横暴だろ? 鍋ふたつ用意して、別々に作りゃいいじゃないか。白滝とうどんのミックスでないと、俺はヤダね。」
「おまえ、うどんなんか入れたら、べたべたになんだろうがっっ。」
「俺、マロニーでもいいよ。」
「というか、各家庭で違うから、できれば、鷹さんの言うのも試したいなあ。」
 はははは・・・と、トダカは大人の余裕だ。すき焼きは、各家庭や地方で違うものだから、こういうことになるのは当たり前だ。

「こんにちわー。」
「やっほー。」
 肉を調達してきたアスランとキラがやってきて、さらに内容についての議論は深まる。キラは、アスランの作る関西風だが、うどんは入れないという。ただし、たまねぎを大量に入れた甘いやつだというから、鷹も三蔵も顔を顰めた。ネギないしは白ネギを入れてくれ、と、言いたいらしい。
「ちょっと、待って。とりあえず、肉以外は、これから買い物に行くから、メモしてみようよ。」
 言い合っていても終わらないから、アスランが、広告の裏に入れて欲しいものを書き出すことを提案した。これも、関西風と関東風で、違うから別々に、ということになる。
「たぶん、基本の白菜、白ねぎ、春菊、白滝ぐらいは、どっちも入るよな? 」
「え? しいたけ忘れてない? 」
「しめじもいいな。」
「ささがきごぼう。」
「麩っっ。」
「焼き豆腐も忘れてる。」
「はい、こんなとこかな? 関東風は、茹でじゃがいもとマロニーを追加と・・・それから、関西風はうどんとたまねぎぐらいですか? 鷹さん。」
「うーん、水菜を入れて食感を楽しむってのもアリだな。」
「それなら、麩じゃなくて、生麩でもいいぜ? それか、すき焼き麩も美味いんだ、アスラン。」
 ハイネが食通らしい意見を言うと、それも書き足される。
「てかさ、肉食うんだから、野菜なんて、なんでもいいじゃんっっ。」
「「「「野菜を食えっっ」」」
 悟空の年少組らしい意見というのは、大人組によって撃破される。肉は重要だが、その味が染みた野菜のほうが、じじいーずには重要になってくるからだ。
「年を取るとね、肉は一枚か二枚でいいんだよ、悟空くん。」
「そういうもんかなあ。」
 ようやく買出しの材料を纏めた頃に、沙・猪家夫夫もやってきた。台所に放置された肉の塊に、八戒は目を見張っている。
「アスラン、これ、何キロなんですか? 」
「十キロくらいかな。悟空と刹那やシン、レイは食べるだろうから、多めにしておきました。足りませんか? 」
 十キロって・・・と、驚いたが、十人以上の大人が揃っていて、うち、年少組が半分だから消費は可能か、と、思い直す。悟空だけでも三キロは片付けるはずだからだ。そして、買出しリストも、ものすごい。
「鍋は四つぐらい必要ですかね? 」
「鉄鍋は二個しかないぞ? イノブタ。」
「関東風は、普通の平たい鍋でもいいだろ? 焼かないんだからさ。」
「おい、鷹さん、その差別はいただけないな? 」
「じゃあ、うちのとトダカさんとこのを持ってきましょう。いいですか? トダカさん。」
「ああ、シン、取ってきてくれないか? 」
「オッケー、とうさん。後、カセットコンロもだな?」
 トダカ家は、親衛隊も来るから、大きい鉄鍋がある。そして、沙・猪家には、たまに悟空が来るから、こちらにもある。これでどうにか、鍋は準備できた。後は買出しだ。
「白菜は四玉だな? 」
「え? 少なくない? 」
「材料の種類が多いから、そんなもんだろ? クルマ二台で分乗だな。」
 鍋を取りに戻るのは、悟浄とシン。こちらは、別々に移動ではなく、一台の車で出かける。後は、荷物持ちを従えた八戒とアスランが二台のクルマで買出しという大掛かりなことになって、出かけた。
「刹那君、きみは、ママニャンの監視です。いいですね? それから、そこの腐れ坊主が先に酒盛りはしないように阻止してください。」
「わかった。」
 そして、寺に残ったのは、坊主と親子猫とトダカという陣容だ。まだ日も高いから、ちょうど準備が終わる頃に、頃合の時間になる手筈だ。
「すき焼きって大事なんですね? 」
 ようやく静かになったので、トダカと三蔵に、お茶を入れて、ロックオンは感想を漏らす。
「大勢で賑やかに作るのが楽しい料理だと思うね。うちでも、たまにやるが、同じようなもんだ。」
 トダカ家では、親衛隊が作るわけだが、出身地がバラバラなので、さらに酷いことになるのだという。まず、肉じゃないのがいるからだ。
「鯖すきとか鶏すき、豚すきなんてのもあるんだ。」
「牛じゃないんですか? 」
「ああ、基本は牛なんだけど、地方によっては、そこの名産が入るんだ。」
 ようやく、料理の本を持ってきて、すき焼きについて調べているロックオンに、トダカが説明する。ああ、なるほど、と頷いて、ふと、酒が足りるのか? と、気付いた。かなりの量はストックされているが、この大人数だと消費も激しい。
「三蔵さん、酒足ります? 」
「持ち寄りだから、そこいらに鷹とハイネが置いていっただろ? 」
「うちからも二本運んできたよ。以蔵と八海山だが、三蔵さん、好きだろ? 」
「さすが、トダカさんだ。いいもん持ってるな? 」
 もちろん、覗いた廊下に、ビールがケースごと運ばれているし、洋酒も二本置いてある。それから、ワインだのシャンパンだの、どんだけ飲むつもりつもりだよ? という酒各種が鎮座していた。
「冷やさないと・・・」
 ビールを見て、ロックオンが立ち上がろうとしたら、刹那がダメと止める。
「ビールなら、冷蔵庫に唸るほど入ってるぞ。あれは、それの補充用だからほっとけっっ。お前は座ってろ。」
 三蔵が一喝するので、動けない。そして、黒子猫が腕を掴んでいる。いい天気だから、溜まっているだろう洗濯物を片付けたいのだが、それも叶わない。
「ロックオン。」
 そして、黒子猫が爆弾発言だ。
「ん? 」
「明日、出かける。」
「・・・・あ、ああ、そうか。」
「また、戻って来るが予定は未定だ。」
「うん、気をつけてな。」
 いきなり、明日と言われても神経がついていかない。それだけ言うのがやっとだ。
「だから、おまえの快気祝いと、ちびの追い出しを兼ねて宴会にしたんだよ。キラとサルが、どうしてもって言うからな。」
 世界中を旅するというのは、時間のかかることだ。今までのように、頻繁に逢いに来るなんてことはできないから、派手に送り出してやろうと、キラと悟空は決めたらしい。しんみりと送り出したら、親猫は意気消沈するだろうし、刹那も気になるだろう。だから、三蔵に寺での宴会を頼んだ。
「そうだったんですか。・・・・よかったな? 刹那。」
「ああ、栄養をつけないといけないから肉なんだ。」
「おう、詰めとけ。」
「それから、あんたは、少し横になれ。昼寝したほうがいい。」
 布団を敷いてくる、と、黒子猫はさっさと部屋を飛び出した。それを見送って、トダカは笑っている。
「親離れしていくんだよ? ロックオン君。」
「わかってますよ、トダカさん。」
「心配しなくても、刹那君の居所は、うちでも追跡しているから大丈夫だ。きみは、せいぜい、三蔵さんの世話でもして待ってればいい。」
作品名:こらぼでほすと 襲撃9 作家名:篠義