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GUNSLINGER BOYXIV

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「だーかーら、俺達は公社だとか何だとか全然知らないんだってば!」

赤い瞳をした若い男は不貞腐れたようにそう言った。
体は椅子にくくりつけられ、秀麗な顔には薄く青あざができている。

「じゃあなんで俺等の組織のことを調べて回ってたんだ。ん?」
「金で雇われたんだよ。そうでもなきゃあんたらみたいなテロリストなんかに近づいたりするわけないだろ」
「雇われた?公社の奴らにか?」
「さーね。その人、自分のことは何にも話さなかったから」

でも金払いだけはよくてさぁ。
そう言ってへらりと笑った男の横腹を仲間の一人が蹴りつける。男は小さく呻いて顔を歪めた。

「っ・・たく、乱暴だな。こっちだって生きてくのに大変なんだよ。大体、本当に俺達が公社のスパイだと思うの?」

組織のことをこそこそと嗅ぎまわっていた二人組を捕まえたのはつい数時間前のことだ。
アジトの近くで様子をうかがっていたところを銃で脅し連れてきたのだが、片方はまだ十代前半の子供だった。
どうやら兄弟らしい。
確かに、この男はともかくあんな非力そうな子供が公社の一員だとは思えない。二人とも整った賢そうな容姿はしているものの、服装等からするとどう見てもただの貧乏な兄弟だ。
・・とすると、男の言っている通りこの組織に敵対する公社以外の他の組織が金で雇っただけなのだろうか。
バレてこうして捕まって殺されたとしても大した損害にならない、いわゆる捨て駒。
だとすればこの尋問自体は無駄になるが、他の利用法も考えてある。
まったく、報酬に釣られて若い命を投げ出すとは馬鹿な奴らだ。それともそれほどまで生活が逼迫(ひっぱく)しているのか。

「・・で、そんなことよりさ」

先ほどまでの軽い口調から一転し、男の声が低く剣呑なものになった。

「俺の弟、どこにやった」

ここに連れてきた際に別々に拘束したその片方。まだ年端もゆかない少年。
そう、あれを人質にすればこの男のことは逆にこちらの使い捨ての駒として使えるだろう。
自然と口角が上がった。

「別の部屋に閉じ込めてある。安心しな。公社の犬ならともかく、俺たちゃお前らみたいなガキを殺したりはしねぇよ。・・・ま、『殺しは』だけどな」
「っ弟に手出しするな!」
「まだ何にもしてねぇよ。なぁ?」

同意を求めるように言うと他の仲間たちはニヤニヤと笑った。

正直その手の店で買うよりもよっぽど質の良さそうな子供だった。売りとばしても儲かるだろうが、早々にそうしてしまうのはもったいない。
あの弟を人質にしてこの男に仲間を使うにはリスクの高い情報収集なんかをやらせればいいだろう。そしてその間に・・・

「なーに、悪いようにはしねぇよ」

お前の心がけ次第だが、と、続けようとしたところで不意にパーンという銃声が耳に入った。

どうやら下の階から聞こえているらしい。
その後も2発3発と銃声が響く。混じって聞こえる悲鳴のような声。
突然の出来ごとに部屋に緊張と混乱が部屋を包み込む。

「な、なんだ・・・・?」
「侵入者か?」
「でもそれなら先にセンサーが反応してベルが鳴るんじゃ・・」

団体で押し入ってきたのなら流石にセンサーが反応しないわけがない。
だとすると少数・・1人2人で赤外線マスクでもつけてセンサーをよけつつ忍びこんできたのだろうか。
ここにいるメンバーは5人。
下にいるメンバーには元・傭兵や腕利きのスナイパーもいるのでそう簡単にやられるとも思えないが・・・

「っ・・ちょっと俺達様子を見てきます!リーダーはここにいてください!」
「お、おう、頼んだ!」

武闘派の2人が部屋から飛び出て行く。残った者達は銃を構え聞き耳を立てた。


作品名:GUNSLINGER BOYXIV 作家名:net