逆裁ログ詰め合わせ
33歳成歩堂×冥
・直接的表現はありませんが、破廉恥気味なので要注意。
・そんな訳でR15
やわらかな肢体を繋ぎ止める。細くしなやかな身体に満足げに笑みを溢して、その小さな肩口に唇を寄せた。
白く滑らかな肌において、その一部分だけが醜く引き攣れ、皮膚が歪な形に盛り上がっている。
それをなぞる様に唇で辿ると、直にそのおうとつが伝わってくる。
びくりと跳ねる身体を無視して舌を這わすと、他の場所とは違い妙に引っ掛かりを感じた。
存外クセになりそうだと頭の隅で思いながら、丹念にそこを舐る。
すると不埒な想いを見透かしたかの様に、拳が飛んできた。
力無きそれは痛くはないが、無粋ではある。思わず眉間に皺を寄せて相手を見ると、逆に射殺す様な眼で凄まれた。
「…ッ、いい加減に、なさい…!」
睨まれて、あらゆる意味でこれは彼女の汚点だったと漸く気付く。然しだからこそゆるりと笑った。息を詰める、小さな音が響く。
「…どうして?」
「どうしてもなにも、分かるでしょう?!そんなものの、どこが良いっていうの」
吐き捨てる様に言う彼女に小さく笑みを零し、その傷跡に指を這わす。
「僕は好きだけどね」
そう言って、産毛をなぞる様にやさしく撫であげる。矢張り歪な肌はこの指先に滑らかさを教えてはくれなかったが、それが逆にとても好ましかった。
その気持ちの思うままに、もう一度唇を寄せると、素晴らしい反射神経を以てそれ以上の行為を妨げられる。
不満に喉を鳴らすと、髭、と一言返された。
「…髭?」
「そのだらしのない、汚らしい髭をどうにかなさい。みっともない」
「……随分な言われようだな。オマケに今言うべき事かな、それ」
「煩いわね。大体、こっちの身にもなってみなさい。いちいち髭が当たって痛いのよ」
「…それは……悪かったね」
「それに………妙に引っ掛かって不快だわ」
ぽつりと忌々しげに呟かれた言の葉は、然し絶大なる威力を持っていた。思わず小さく吹きだす。
更に機嫌が急降下した彼女を宥める様に、何度も、沢山のキスを贈る。
擽ったそうに、そして矢張り何処か痛そうな彼女に笑みを零して、その手を取った。
それをゆっくりと持ち上げ、自身の頬に添える。ざらりとした感触が、彼女の手を通して伝わってくる様な錯覚を覚えた。事実、彼女はそれを直に感じているだろう。
そのままゆうるりと笑みを浮かべて、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「引っ掛かるくらいで、丁度良いんじゃないかな」
告げながら、空いている反対の手でゆるりと肩口の傷をなぞる。
化石の様に固まって大人しくなった彼女を見逃す筈はなく、好機とばかりにそのままがぶりと被り付いた。
end.