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こらぼでほすと アッシー1

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「父さん、俺とレイは、まだ学生だからっっ。」
「わかってるよ、シン。レイ、もし、プラントに帰るなら、戻ってから渡すから心配しなくてもいい。」
「トダカさん、俺はいりません。」
「まあ、そう言わないでくれないか? きみが受け取らないと、ロックオンにも渡せないだろ? 」
「ちょっ、トダカさん? 俺、成人してますからっっ。」
「娘は、いくつになっても娘だから、渡してもいいんだよ。シンとレイも息子だからね。いくつになっても渡したいと思うし、刹那君なんか孫だから。」
「まあまあ、ロックオン。貰っておけばいい。トダカさんにしたら、渡すのが楽しいことなんだから。」
 キラたちの出身地域では、親や年上が、子供たちにお年玉を渡すのが、年明け行事の一環なのだそうだ。本来は、成人したら、逆に、親へ子供から渡すというのもあるらしいが、トダカは、それより渡したい人であるらしい。アマギたち親衛隊も、そういう意味では、毎年、貰っているそうで、拒否権はないのだと説明された。
「もしかして、俺、キラたちには渡すべきですか? 」
「いや、それはしなくてもいい。キラ様には、お年玉は渡さないことに決まっているんだ。」
 貰ったら貰っただけ使いまくるので、アスランが何年か前に、周囲に、「キラには渡さないでください。」 と、触れ回ったらしい。それで、『吉祥富貴』内部では遣り取り禁止になっているのだそうだ。
「悟空くんには、みんな、こっそり渡しているみたいだけどね。」
 年少組のものは、キラ以外は、こっそりと貰っていたりする。渡す渡さないは、各人の自由なので、こっそりしているし、じじいーずのみが渡しているそうだ。
「じゃあ、俺は悟空とおまえらには用意しようかな。」
「ロックオン、姉から弟っていうのはいらないから、俺とレイは除外でいいよ。」
「誰が姉だ? シン。」
「だって、父さんが娘って言うんだから、そうなるだろ? それなら、刹那に用意してやれば? あいつ、知らないからびっくりすんじゃない? 」
 もちろん、そちらは用意するつもりだ。お金の心配はしていないのだが、あって困るものではない。
・・・・それより、服か・・・・
 半年もすると、刹那は成長している可能性がある。マンションにある服は、そろそろ窮屈かもしれない。それに、放浪している刹那は、暑いところ寒いところと飛び回っているだろうから、防寒着もあったほうがいいだろう。以前、キラから大量に服を貰ったが、あれはファッション性が強くて実用向きではない。実際、何日も気候の厳しいところへ滞在なんてことになると、ちゃらちゃらと飾りのあるもののほうが邪魔になる。




 下着やインナーは、近くの大型ショッピングモールで調達できた。しかし、だ。ひとつだけ、どうにも、「これ。」 というものが見つからない。携帯端末で、それがありそうな場所を検索して、ここなら、と、思ったのが、ちょっと遠い場所だった。
「トダカさん、クルマを借りてもいいですか? 」
「構わないけど、どこへ遠征するつもりだい? 」
「いや、ちょっとコートを買いに行きたいな、と。」
「そういや、ロックオンのコートは薄手だったな。私がプレゼントしようか?」
「いや、いいですよ。」
 俺のじゃないし、と、内心で付け足した。自分のものは、薄手だが、あまり出歩くわけではないので、十分だろうと考えている。
「日中は暇だから付き合ってもいいかな? 」
「ええ、じゃあ、一緒に。」
 翌日、ちょっと遠出のドライブをして、目的の店に出向いたが、やっぱりいいのがない。
「もしかして、刹那君のかい? 」
 目的の店で探しているものを見て、トダカも、ぴんときた。確かに、実用性の高いものということになると、こういう店が妥当だろう。
「ええ、防水性と防寒性の高いもので、色が青いのがいいんですよ。それが、なかなか見つからないんですよね。」
「青? そりゃ難しいな。こういうのは、目立つ色合いが基本だろう。」
 普通は、見つかりやすい色が基本だ。青は、景色に融けてしまう色合いだから、見つからないのは理解できる。
「でも、あいつ、青が好きなんです。エクシアの色でしょ? 」
「ああ、そういうことか。そりゃ、気長に探すしかないね。通販のほうがあるんじゃないのかい? 」
「実際、見たほうがいいと思います。」
 通販だと、今ひとつ、手触りや色合いが掴みづらい。だから、わざわざ探しているのだ。できることを、と、考えているロックオンらしいと、トダカも微笑む。今のところ、本当に些細なことしかできないので、こういうことで躍起になっているのだ。アレルヤのことを心配しているのも紛らわしているのだと思われた。だから、トダカも止めないでいた。全部、ダメなんて言ったら、ロックオンの精神的に持って行き場がなくなるからだ。
「気長に探すしかないね。」
「そうですね。」
「軽く食事して戻ろう。私の出勤時間だ。」
「ああ、すいません。もう、そんな時間でしたか。」
 これぐらいの気晴らしなら、問題ないだろうと、トダカも思っていた。みな、うっかりしているのだが、ロックオンは三ヶ月寝込んだ後だということを失念していた。




 ハイネにも、ちゃんと社宅はある。ワンルームのマンションだ。店が引けてから、用事がなければ、そちらに戻って休んでいる。明日は、午前中に、ラボへ顔を出す予定だから、さくさくと寝ようと、ベッドに入ったら、いきなり携帯端末が鳴り出した。相手は、トダカだ。これが、鷹とか悟浄あたりなら無視するところだか、トダカでは出ないわけにはいかない。
「はい。」
「ハイネ、済まないが、ロックオンが居ないんだ。三蔵さんとこにも、マンションにも戻っていない。捜索してもらえないか? 」
「はいっっっ? ロックオン? ええっっ。」
 いつもは、トダカの帰りを待っているロックオンが居ないし、クルマを持ち出しているらしい。三蔵にも確認済みだし、アスランにマンションのほうも確認してもらったが、そこにも帰っていない。そうなると行方がわからない。携帯端末は着信するのだが、出ないのだと言われたら。ハイネも起き上がった。
「わかりました。ビーコンを拾います。」
 携帯端末には、GPS機能も搭載されているし、何より、ロックオンの身体には発信機が内密に埋め込まれている。アレルヤたちマイスターにも、それは埋め込まれている。行方を捜索するために必要だと思われたからだ。アレルヤたちには説明していない。大怪我をしたので、その治療段階で埋め込んだ。ティエリアもそうだ。刹那だけは、一度も、そういうことがなかったから、説明して埋め込んだ。世界を放浪して、何かあった場合に捜索するためだと言ったら、素直に承諾した。