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虚像を愛した罰をやる

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年相応には少しばかり落ち着いた、声。
金の色で髪を染めた御伽話の中の王子様。

そんな風貌を装った青年が、

「ここで何してんだ」

少女に話しかけた。


「何もしてませーん。ここに座ってるだけですー」
「んなこと分かるっつの。なんでまだ家に戻ってねーのか聞いてんだよ」

少女と青年。互いに折り合いが悪いのか何なのか。
二人の周囲には空気が張り詰めているように見える。

詳しく説明を付けるならば、青年がピリピリしていた。

「えー。堕王子に戻れって言われて戻ると監禁されそうな気がしますねー」

少女の飄々とした態度に苛ついていた。

「アン?本気で監禁してやろうか?」
「遠慮しますー死んでもお断りしまーす」



少女はとある小さな町に生まれた貴族の娘だった。
その娘は年を重ねる毎に美しく美しく、育っていった。

そして少女は結婚の出来る年を迎えた。
だが少女を娶ろうという者はいなかった。

それは彼女が、

『ま、魔女め…!』

生まれながらに才能を持った術者だったからだ。