僕らは電脳世界で恋をする!@3/19更新
ぼんやりと目を開けたサイケは、何かを思いだしてばっと顔を上げる。
そして、目に飛び込んだ姿に思わず声を上げそうになって慌てて自分の口を両手で塞いだ。
色の付いたグラスを外し、瞼を閉じるサイケの大好きなひと。
反対側を見れば、金色の頭も在った。
「おれ、ねっちゃったんだ」
上体を起こし、そっと学人の顔を覗き込む。
吐息がサイケの耳を擽って、思わず、ふへ、と笑ってしまった。
「がっくんだぁ・・・」
サイケはそのままふくふく笑いながら、また頭を学人の腿にのせた。何となく、ぐりぐりと頭を擦りつけてみる。
そしてもう一度、学人を見上げて、サイケは呟いた。
「がっくん、だいすきだよ」
今度はサイケの大好きなエメラルドグリーンを見て言おうと思い、サイケはまた目を閉じる。
大好きなひとの温もりに包まれながら。
作品名:僕らは電脳世界で恋をする!@3/19更新 作家名:いの