二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

過去作品を晒してみよう、の巻。

INDEX|4ページ/12ページ|

次のページ前のページ
 

 そう言って去ろうとした私の背に、『やはり、貴方はずるいのだ。』、との言が掛ったが、
振り向くと彼も背を向けていた為、呼び止めてまで言及する必要も無いと判断し、そのまま其処を後にした。
 
 
 
 
 
 与えるものなど何も無く、また与えられるものなどそれ以上に無いのだと、頑なに思い込んでいた。

 与えられて返せないのは己も同じだと、思い悩んだ時期もある。
 
 返したい、与えたい。
 
 何時しか抱くようになったこの想いの出した答えが、生涯歩むこの覇道への切欠となった事を、恐らく、誰に言うまでも無く逝くのだろう。
 
 それで良い。振り向かず、ただ私の背を見て、進んできたら良い。
 
 不平等だと口を尖らせて吐き捨てられたその言葉を、本当は、ちゃんと平等なのだと、変えて伝えたい。
 
 何時の日か貴様よりも大きな背の、その意味を。自分自身で見付けられたら良いと、願う。
 
 そして、そうなる事を誰よりも夢見ているのが己なのだと言う事を、今はまだ、誰も知らない。