君が愛しいと気づいたから
「えっ、ナツ…!?」
ルーシィが俺を見て、目を大きくする。
俺がこうやってベッドにいるとルーシィは驚く。
「よう!まだ寝てないんだな」
そうして俺は床に落とされて、ルーシィがベッドに入って、俺たちは隣で寝るんだ。
毎日じゃない。ただ俺がルーシィと一緒にいたい時とか、その時の気分でだ。
だけど今日は違った。
「っ…、ごめん。悪いけど今日は帰って」
「は?なんでだよ?」
「な、なんでも!今日は…ダメなの」
「…もしかして、俺が嫌いとかか?」
「そうじゃない…でも今日は嫌なの」
ルーシィの言葉に胸がちくりと痛んだ。
意味がわからなくて彼女を問い詰めた。
ベッドから出て、彼女の腕を引いてベッドに引きずり込んだ。
「ぁ、ダメっ…!」
ルーシィの体が俺に傾いて、倒れた。
ベッドだし、少しの衝撃だ。痛くはないはず。
だけど彼女は倒れる瞬間、手をつくよりも先にお腹を押さえた。
まるで──何かを守るように。
作品名:君が愛しいと気づいたから 作家名:煉@切れ痔