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こらぼでほすと アッシー6

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 特区からMSで発進しても接触するには、時間がかかるし、カモフラージュも必要になる。それなら、すでに隠密行動しているハイネに任せたほうが手配も楽だ。ただし、ハイネの仕事は倍増するのだが、そこのところは、さらっと無視することにした。ここのところ、親猫の監視だけで楽していたのだから、ここでちゃきちゃき働かせてもいいだろう。
「ハイネは、ストライクでしたね? あれなら、かなりの水深でも活動できますから、エクシアと共同作業ができるでしょう。そのまま、オーヴへのコースに乗ってくれれば、こちらから誘導も可能になりますわ。」
 オーヴ領域の手前からならキラに誘導させれば、発見される心配はない。深海は、今でもレーダーで補足しづらい領域だ。
「わかった。そういうことで手配させてもらおう。ラクス様、この黄味餡は、貰ってもいいか? 」
 遠慮の塊と化していた黄味餡の団子をイザークは、そう言いつつ手にした。あ、と、メイリンは声を出したが、すでに口の中だ。
「メイリン、ここじゃ遠慮はなし。というか、食べたかったら、さっさと食べないと、こういうことになるんだぜ? 」
 『吉祥富貴』の裏ルールは、かなりシビアだ。弱肉強食より厳しい。遠慮会釈なしに食べたいものは確保しておかないと食べられてしまう。年功序列なんてものはない。
「普通、女の子に譲りませんか? イザークさん。」
「譲る? 遠慮の塊を処理しているだけだ。食べたかったのなら早く食べればいい。」
「いや、もうないし・・・メイリン、たぶん、居間は、まだ残ってると思うぜ。」 
「あらあら、メイリン。これなら、私くしが作ってさしあげますわ。明日のおやつは、これにしましょうね? イザークは、リクエストはございますか?」
「白玉は気に入ったんだが、黒蜜じゃない取り合わせがあったらお願いしたい。あっさりした甘みのもので。」
 もぐもぐと団子を食べて、イザークも、リクエストする。ここのところ、ずっとラボに張り付いていて、おいしいお菓子には飢えているらしい。
「では、あんみつバージョンにいたします。あれなら、あっさりしておりますから。」
「ああ、それはいいな。できれば、牛皮もお願いしたい。」
「材料がございましたらね。」
 口の肥えているイザークは、あんみつにも一過言あるので、こんなことを言うが、歌姫も慣れたものだ。おやつを終わらせたイザークは立ち上がって、コンソールでの作業を再開する。ハイネと刹那に暗号通信を送る準備にとりかかる。ディアッカも、ごちそうさまと立ち上がって、こちらは格納庫へ出て行った。整備の手伝いに出た。
「では、私くしたちも仕事を再開しましょうか? 」
「はい。」
 歌姫様とメイリンも書斎へ戻るために立ち上がる。休暇とはいえ、決済しておく書類は、まだ高さ五センチほど残っている。





 暗号通信を受け取ったハイネは、「過労死させる気か? 」 と、一応、セルフツッコミした。この十日ばかり、中東での隠密行動していたのに、さらに、黒子猫のフォローまでさせられるとは思わなかった。現在、自分は中東にいるわけだから、その指示は正しいのだが、容赦がないとは思う。
「少数精鋭だからって・・・まあ、いいけどな。」
 刹那が到着するには、まだ時間はあるが、こちらからも移動して、中東より離れたところで接触したほうが安全だろう。とりあえず、ここの情報を纏めて整理したら移動することにした。
 いろいろと情報は拾えたが、うんざりする内容ではある。だが、今のところ、こちらが手出しするようなものはない。これで、中東を再編成するというこなら、多少の犠牲には目を瞑るしかない。それは、ハイネもわかっているが、本当に容赦はないな、と、手だけ動かして考えている。選民主義に走るのは、あまりよろしい傾向ではない。参加すら認めていない地域を、完全に排除するために国ひとつを滅ぼすという行為は、過去から鑑みても良いものではない。

・・・・まあ、化石燃料を独占して富を溜めていた頃の報復としちゃあ、わかるけどねぇー・・・・

 中東は、化石燃料の宝庫だった。その時代には、かなりの政治力も有していたし、好き勝手に燃料の値段も乱高下させて稼いでいた。燃料のない国からすれば、いろんな無理難題も押し付けられていたから、その因縁は深い。今は、無尽蔵の太陽光エネルギーがあるから、それさえ生産できるシステムがあれば、どの国でも燃料不足は引き起こさないわけだが、実際、その権利を握っているのは、連邦の主要国だけだ。彼らが、それを嵩に、弱小国を牛耳るだろうことは予測範囲内だが、それも、平和裡であるなら問題はない。まだ、そこの見極めが難しい。
 パタパタとデータを纏めて、暗号通信に載せると、ハイネは、やれやれと目を閉じた。少し休憩して、アフリカ大陸に添うように南下する。ランデブー地点は、指示されているから、そこまでは自動操縦でも可能だ。システムに、それを入力して、ハイネはシートを倒した。そこまでは、寝ていこうという胎だ。





 翌日、シンとレイが揃って現れて、残っていたお菓子を、ばくばくと消費した。
「それ、トダカさんにも届けたら、どうなんだ? 」
「あ、忘れてた。」
 かなり消費した頃に、虎が、そう指摘する。少しぐらい差し入れしておけ、と、命じたが、残りはわずかのことだ。レイが、残っているのをラップを用意して包む。
「俺ら、出なくていい? どうせ、訓練するぜ? 虎さん。」
 シンとレイは一週間に一度は、MS訓練と整備のために別荘に顔を出している。今日、刹那がオーヴへのコースに入るだろうと、警戒のために出ようと考えていた。
「まだ、ちびは中東だ。深海での訓練がしたければ出てもいいが、お迎えには些か早い。」
「え? まだ? 」
 すでに師走の月に突入している。予定では、そろそろだろうと思っていたシンは、当てが外れた。
「中東の状況を視察してくるつもりらしい。ハイネがフォローしているから、警戒も必要じゃない。」
「ということは、ママは? 」
「オーナーとキラが、毎日、楽しそうに相手をしている。だから、そちらは気にしなくていい。」
 キラは戻ったものの、歌姫様の休暇が終わるまでは、別荘に滞在することにした。これから、年末までは、逢えなくなるからだ。ついでに、里帰りで里心がついちやったので、アスランとではなく、キラが親猫と一緒に寝ていたりする。親猫の気は紛れるだろうから、それは放置の方向だ。ついでに、歌姫まで参加していたりもするが、それもスルーだ。
「シン、レイ、ちょっと代わってくれ。」
 イザークが、休憩室に顔を出して声をかけてくる。キラが、のんびりと別荘でママと遊んでいるので、システムの運用は、アスランとイザークを責任者にして交代になっている。
「イザーク? あれ? 」
 シンたちは、イザークが、『吉祥富貴』専属になったことは知らされていなかった。
「しばらくは、こっちでラクス様のガードを専属でやることになった。」
「状況は、それほどですか? イザーク。」
 専属の護衛を増やすとなれば、レイも心配になる。
「今は、まだ、それほどじゃないんだが、デモンストレーションも兼ねている。俺たちが護衛に入れば、相手も考えるだろう。」