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その頃、贈り主であるイギリス宅では――。

屋敷の主であるイギリスがリビングの暖炉の前でウロウロしていた。
手にはしっかりと携帯電話を握りしめて。

電話がかかってきたり、メールの着信があれば、イギリスは一瞬喜んだかと思えば、お目当ての人物でないと判ると一気に不機嫌極悪モードとなり、電話の相手には怒鳴り散らし、メールの相手には罵詈雑言を大量に入れた返事のメールを出す。
はっきり言って、今日のイギリスは、うざったい事この上なしだった。

―子供の出産を待ってるお父さんみたいですよ。

ある目的の為だけに訪ねてきたシーランドは、出されたオレンジジュースを飲みながら、ウロウロしているイギリスの姿を見ていて、そう思った。

「はぁ〜〜、だから言ったのですよ。
シー君がリヒお姉ちゃんにバレンタインデーのプレゼントを直接届ける“ついでに”（強調）イギリス野郎のも届けてあげますよ〜って！！」
シーランドはイギリスに聞こえるように、皮肉を言った。

「シーランド！！テメェに頼むほど、俺は落ちぶれちゃいねぇーよ！」
シーランドの言葉がイギリスの胸にグサッと突き刺さったらしく、イギリスは涙目で激しく抗議した。