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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 2

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「まぁ、兎に角中に上がりなよ。お茶くらいなら御馳走しよう」

「珍しく気が利くな、香霖。変な茸でも齧ったか?」

 魔理沙じゃないんだから、と苦笑いしながら家の中へと戻って行く森近の後を魔理沙と俺は付いて行く。

「これは凄いな」

 香霖堂店内に足を踏み入れれば、目に着くのは有りあらゆるがらくたの山。
 子供の玩具から、どこぞの地方の名産品まで、様々なものが陳列されている。

「それはみんな外の世界の物だよ」

「趣味なのか?」

「ああ、趣味と実益を兼ねてのね」

「外の世界に憧れでも?」

「いや、只単に、好奇心だよ。これらはみんな未知の物だ。僕の知識では解き明かせない不思議な謎だ。其処に難題があれば、解き明かしくならないかい?」

 成る程ね、森近は貪欲に知識を蓄えたいのか。
 幻想郷と外の世界は違う。別世界だ。だからこそ、森近は自分の知らない外の世界をお知りたいのだろう。
 彼は外の世界に憧れているんだ。

「もし良ければ、これらの道具の使い方を教えてくれないかな。僕の能力で名前と用途は解っても、肝心の使い方は解らないんだ」

 森近は一つの道具を手にとって言う。
 それは手の平に収まる程度の小さな物。

「君は僕の店に何か買いに来たんだろう?僕に知識をくれるなら、代わりに君に何か一つあげようか」

 交換条件か。
 森近のこの以前から用意していたような科白、きっと森近は初めからそのつもりだったのだろう。

「僕にとっても君にとっても、悪くない話だと思うけど」

「良いだろう、その取引に乗るよ。何も悪いところは無い」

 寧ろ好条件過ぎる。
 何か裏が有ると疑ってしまうほど。
 彼は、こんな辺鄙なところでおかしな店を開く、曲がりなりにも商人だ。
 強欲に金を求め、金の為なら命と引き換えにするような、そんな商人の一人だ。
 裏が有ってもいいだろうが……。
 それとも、彼にとってはそれ以上に知識は大切なモノなのか。
 どちらにせよ、森近の話に乗ってからで遅くないだろう。
作品名:東方無風伝 2 作家名:国城 龍耶