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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 2

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「……魔理沙」

「言うな、解ってるから、言わないでくれ」

 歩き初めて早一時間。魔理沙の案内のもとで歩き続けているが、一向に森の中を抜けられない。
 どうやら魔理沙自身、道が解らなくなっているようで。

「何時もは飛んでいくからなぁ」

「今からでも飛べないか?」

「無理だな。密集して木が生えてるだろ。これじゃ木が邪魔で飛べないぜ」

 俺が空から落ちた際に空けた穴が有るが、其処まで戻るとすればまた一時間、歩き続けることになる。

「今は、歩き続けてそのうち森から出られるのを信じよう。そうすれば、私が空を飛んで辺りの様子を探れる」

「そうするしかないのかな」

 結局はまだまだ歩き続けると言うことで意見は固まり、実行に移す。
 自然に生えた木々は枝を自由に伸ばし、それが空を遮る。その為、地面に差し込む光は不十分で周囲は薄暗い。

「そうだ魔理沙。あのルーミアをやっつけたレーザーで空に穴を空けると言うはどうだ」

 思いつきで言ったその言葉に、魔理沙は何処か緩慢な動きで見えない空を見上げ、一つ溜め息を吐いた。

「出来なくはないけど、あまりやりたくないな。疲れるし、失礼だぜ。それは最後の手段にさせてくれ」

「失礼とは、何に?」

「森に、だぜ。そう言うことはやたらめったらやるものじゃないぜ」

「そうか」

 魔理沙の言うことは解らなくもない。
 自分達の身勝手で他のモノを傷つけるものではない。どうしてもその必要性が出てしまうならば、それはそれで仕方が無い。
 あくまでもそれは、最後の手段。

「風間」

「どうした?」

 突然、魔理沙は俺に呼び掛ける。

「何か聞こえないか?」

 魔理沙に言われ、耳を澄ます。

「……本当だ」

 それはまるで人の声のような音。何処か不規則に揺れるその声ははっきりとは響いてはこない。

「行くぜ」

 そう言って魔理沙は歩き出す。

「妖怪の類でなければ良いが……」

「いや、多分妖怪だろ。こんな森の中で自分の存在をアピールして、人間だったら襲って下さいと言ってるようなもんだぜ?」

「解っていて行くのか」

「ああ、多分この声はあいつだろうし」

 萃香の時もそうだったが、魔理沙は妖怪の知り合いが多いようで。自分なら襲われない、そう思っているのかね。それとも、その妖怪が人を襲わないと解りきっている。
作品名:東方無風伝 2 作家名:国城 龍耶