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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 2

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「生きたいから、生きたいんだろ」

 今まで黙っていた魔理沙が、そう言った。

「生きたいのは、やりたいことがあるからだ。私だってまだ死にたくない。やりたいことが沢山あるからだ。大魔法遣いになるという夢だって叶えてない。私はその夢をほったらかして死にたくないぜ」

「何れ死ぬ。そうなったら大魔法遣いになろうとならないと、変わりは無い」

「有るぜ。心残りを残したまま死ぬなんて、それじゃ私の心は満たされない。そうか、生きるってのは自分の心を満たす行為だったんだな」

 自分で言って、自分で納得する魔理沙。
 魔理沙の言いたい事は、ばらばらになったパズルのようで、少しだけ抜けているところが有る。

「要は、『生きる』なんて人間の自己満足に過ぎないということだな」

「それは……違う」

「なにが?」

 少し悩んだ魔理沙に、問い詰めるように言う。

「結局は人間のエゴではないのか? 生きる。死ぬ。それに違いなんてあるのか?」

「風間。それは人間のエゴじゃない。風間のエゴだ」

「……」

「風間は、人間を悪者に仕立て上げたいのか? さっきから風間の言葉は私にはそういう風に聞こえる」

「……」

「風間だって人間じゃないのか? どうして解らないんだ」

 知るか。俺は、人間じゃないんだから。人間の考えだなんて解る筈が無い。
 その言葉は喉で押し潰され、吐き出されることは無かった。

「はいはい。其処までにしておきな。どうせ、口論になるだけなんだから。そんな答えの無い問答をしたって意味は無いよ」

 小町が助け船を出す。
 それにはどれだけの助かる事か。

「そうだな。魔理沙、俺が言ったことは全て忘れてくれ。酒の席なんだ、楽しんで呑もう」

「どうにも腑に落ちないぜ。風間のそれは、はぐらかそうしているだけじゃないか。ただ逃げてるだけじゃないか」

「……そうだな、魔理沙の言う通り、俺ははぐらかそうとした。だが、それは逃避ではない。言いたくなかっただけだ」

「何を」

「……俺は、人間が好きだ。人間は自分達で努力し、進化し、発展した。人間の努力の成果だ。だから、人間が何をどうしようとも勝手だ。人間の持つ当然の権利だ。世界を滅ぼそうが、再生させようが、だ」

「なにを、言ってるんだ」

「何時何処で誰がどうして死のうが、どうでもいいってことだ」

 魔理沙の眼が見開かれる。
作品名:東方無風伝 2 作家名:国城 龍耶