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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 2

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 混濁し、ゆらゆら揺れる頭の中。
 どうにも意識は朦朧としている。酒を飲んだせいだろう。
 兎にも角にも覚醒したんだから、起きなければ。

「おや、目が覚めたかい」

 うっすらと目を開ければ、赤い髪の死神の姿が映る。

「小町か。俺は、どのくらい寝ていた」

「ほんの一、二時間ってところさ。しかしあんた、かなりの下戸だったんだね」

「あんな酒の飲み方、なってない。もっとゆっくり味わいたかったな。本当に俺はどうにかしていたようだ」

「全くだよ、あんたは」

 痛む頭を押さえながら立ち上がる。辺りを見渡しても、眠る前と変わらない屋台の前で少し安心する。

「魔理沙は何処に?」

「あんたに呆れて、先に行っちまったよ。お陰あたいがあんたの面倒を見ることになった」

「そいつはすまなかった」

「あんた、幾らなんでも言い過ぎだ」

「嫌われたかな?」

「だろうねぇ。あんたは大馬鹿者だよ」

 おどけて言ったが、小町の顔は真剣そのもの。

「まぁ、反省はしているさ」

「してなかったら殴るところだよ」

「ははっ」

 目の前で握り拳を作りながら言う小町の様子に、つい笑ってしまった。

「で、魔理沙からの伝言だよ」

「おや、見捨てられたと思ってよ」

「先に白玉楼に言って、話をつけておくってさ。良かったねぇ、まだ完全に捨てられたってわけじゃなさそうだよ」

「うーん、これは挽回しておいた方が良いかな?」

「そりゃそうだろ。例えば、妖怪に絡まれてるところを助けるとか」

「そんな機会が有ったら、そうしよう」

 両手を上に上げて、大きく伸びをする。
 そうして身体をほぐす。

「小町、世話になったな」

「行くのかい?」

「ああ、目指すは白玉楼」

「気をつけて行っておいで。あたしから言えるのはそれだけだよ」

「それだけで、十分さ」

 じゃあな、と手を振って歩き出す。
 その行き先は、無論幽界、白玉楼である。

「あ、小町」

「なんだい」

「白玉楼まで、どうやって行けばいいんだ?」

「……あんだけ格好つけてそれかい」

 そうして小町から道順を教えてもらって、再度歩み出そうとした時、小町が言った。

「あんたの言ったこと、あたしも間違っていないと思うよ。だけど、敵を作るだけだから、もう二度と言うんじゃないよ」

「肝に銘じるよ」

 さぁ、では行くとしますか。
 剣術を習う為に、いざ白玉楼へと。
作品名:東方無風伝 2 作家名:国城 龍耶