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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 2

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「でも、能力が無いからって落ち込むことじゃないわ」

「と言うと?」

「武器よ。能力が有っても無くても、武器さえ有れば妖怪と闘うことは出来るわ。運が良いと、武器自身に能力が付いているなんてことも」

「武器に能力だと?武器と言えど、所詮物。物にも能力が宿ると?」

「そう。物は所詮物よ。人間に作り出され、人間の為にその力を発揮する。なら、人間の為に能力を発揮しても良いじゃない」

「……成る程、そうかもしれんな。いや、幻想郷だからこそ、そうなのか」

「物にだって神様が宿るんだし、そうそう侮れるものじゃないわよ」

「八百万の神ってやつか」

 古来より物には神が宿ると言われている。大切に扱った道具や、宝具として崇められた物。時には人に害を為し、時には人に幸を齎(もたら)す付喪神(つくもがみ)。
 人工物に限らず、山や木々、自然の物と、この世のありとあらゆる物に神は宿る。
 その神々を、人は数え切れない程の沢山と言う意味を込め、八百万(やおろず)の神、又は付喪神と呼ぶ。
 付喪とは当て字であり、正しくは九十九と書く。では九十九とは一体何か。九十九とは、九十九年のような、とても長い時間を現す場合と、九十九種のような、とても多くの物事を現す場合と有る。
 つまりは、長い年月と沢山の物事。
 そして、付喪神の特徴。それは、沢山の物が長い年月を得て神が宿ると言うこと。
 正に、九十九であるのだ。

「幻想郷には、付喪神が宿る道具が多いのか」

「まぁ、宿らせようと思えば、信仰すれば勝手に付くし、珍しい物じゃないわよ、神様付きの
道具なんて」

「だが、付喪神なんて、信仰有っての神だ。大した力は無いのだろう」

「まあね。でも、逆のことだって言えるわ」

 九十九と言えど、所詮は神。
 神とは、人間が生み出した虚像に過ぎない。
 何か有れば、神に祈る。自分達の勝手な妄想にだ。
 だが、やがてはその妄想も集団で作られ、祈られ、崇められ続ければ、力を持つ。
 それが『神』だ。
 山や木々、そう言った自然に宿る神はそうではないかもしれないが、神とは人間の妄想により『作られた』存在。
 では、その人間の妄想、即ち信仰が無くなればどうなるか。
 答えは簡単、存在意義を無くし消滅する。
 だから、彼等神々は人間の為に力を尽くそうとするのだ。親だから、そして、生きたいから。
作品名:東方無風伝 2 作家名:国城 龍耶