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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 2

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 人間に利用されるだけの力を持つことが出来なければ、人間は神を役立たずと罵倒し、利用されるだけの力を持てば、散々利用して『ポイッ』だ。そうして彼等は忘れられ、神として力を失っていく。
 だからこそ、霊夢の言う逆のこと、つまりは忘れられずに信仰され続けている武器なんてものは、手に入らない。
 古くから今まで、神として崇め感謝され続けたモノなんて、仏陀や釈迦、ムハンマドやキリスト等と言った、それこそ神の啓示を受けた『聖人』くらいなものだ。
 そんな彼らの遺物なんざ、手に入れるなんて夢のまた夢。
 それら自体は信仰されていないが、その元の持ち主の『謂われ』が有る。それもまた、人間の妄想の地続きであり、力を持つ。

「そんな物、手に入る訳が無かろう」

「そりゃそうね。でも、存在しないと言う訳では無いわよ」

「……先程から随分と意味深なことを言うな、霊夢よ。まさかそれらがこの幻想郷に存在し、それらを知っているようではないか」

「中には、そんなものが有るってだけの話よ。向きになることじゃないわ」

「……そうか」

 霊夢が言いたいのは、運が良ければそんなものが手に入る。ただそれだけのことなのだろう。

「なぁ、霊夢」

「何よ」

「付喪神、八百万の神々以外にも、幻想郷に神様なんているのか?自然に、万物に元々宿るものが」

「そんなもの、有り得ないわよ。人間がいるからこそ、そして人間が盲信し続けるからこそ、神は生まれ、神は宿り、神がいるの。人間が存在しなければ、其処に神は存在しないわ」

「そうか」

「だからこそ、山の上の神社の連中は、信仰を集めようと必死なのよ」

「理不尽だよな、勝手に作られて信仰されて、そりゃ期待に応えようと必死になって頑張っても、時には認められず、そうして忘れられるって。勝手に生み出し、勝手に期待しといて、何身勝手なことを言っているんだか」

「あんた、哀れんでいるのね」

「そうだ。彼等に自由は無い。目的の為にしか利用されない」

「偽善ね。あんたのは履物だって、着物だって同じことが言えるじゃない。それを哀れむの?」

「……」

「そう言うことよ。同情なんて止めなさい。それで救えるなんてこと、無いんだから」

 霊夢の言うことは何一つとして間違っていない。
 同情なんて偽善にすぎなくて、俺が彼らを救える筈が無くって。
作品名:東方無風伝 2 作家名:国城 龍耶