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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 2

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「それで、風間は武器を必要とするの?しないの?」

「するさ。素手で妖怪となんか闘えない」

「そう。それじゃ、魔理沙」

「なんだ?」

「風間を霖之介さんのところに連れて行って」

「霊夢が連れていけばいいじゃないか」

「面倒だもの、空を飛べない人間の護衛なんて」

「あーはいはい。ただ、金は霊夢が出せよ?」

「チッ」

「おい、私に出させるつもりだったのか」

「あらー、そんなことないわよー」

 そんなあからさまな棒読みと共に霊夢は社の中へと戻って行く。
 きっとお金を取りに行ったのだろう。

「すまんな魔理沙。俺の為に色々と手を煩わせるようで」

「心配には及ばないぜ。これは私から風間への『貸し』だ。何時か耳を揃えてきっちりと返して貰うぜ」

「利息は無しだよな」

「十一で引き受けるぜ」

「悪徳金融会社か己は」

「返済は……半年は待ってやるぜ」

「そもそも、俺は魔理沙にどれほどの貸しを作ったのか解らんぞ」

「そうだな……新作の魔法の実験台くらいだな」

「返済が終わる頃には、そうならないんだろうな」

「当然だぜ。変な茸の試食や、私の召使として使ってやるぜ」

「怖いな。因みに、それを反故したらどうなる?」

「魔女との契約だぜ?破ったら風間一生私の奴隷な」

 ……冗談だよな?

「そう怖い顔するなって。ただの冗談だぜ」

「そうか。良かったよ冗談で」

 だが、それでも魔理沙には大
きな貸しがあることは変わらなくて。

「少しずつでも良いから、貸しは返すようにするよ」

 魔理沙から受けた恩は本当に大きい。
 彼女がいなければ、俺は死んでいた。
 彼女がいなければ、俺はこの世界の手掛かりを何一つとして掴むことが出来なかった。
 彼女がいなかれば、武器なんてものを手に入れること叶わず、妖怪に殺されているかもしれない。

「感謝してるよ、魔理沙」

「お、おう」

 当然の俺の感謝の言葉に同様したか、彼女はそんな照れたような返事をしただけだった。

「ほれ、持ってきてやったわよ」

「お、霊夢。遅かったな」

「良い巾着がなかなか見つからなかったのよ」

 魔理沙の言葉に霊夢はそう返す。
 霊夢の手には、確かに小さな巾着が乗せられていた。
作品名:東方無風伝 2 作家名:国城 龍耶