みんなといっしょ!
10:笑う事は忘れずにいたよ
「トリックorトリート!!」
南蛮のお祭り。
本当に意味は少し悲しいけれど。でも、遊べるならそれは楽しいイベントだ。
しんべヱから教えてもらった事を楽しく皆で遊べればいいんだ!そういう考えは、は組の考えだ。
「今年はお菓子をあげる側だね」
といいつつも、
「それが恒例だからな」
「その恒例じゃないのがいるけどな」
「そうだねぇ」
恒例というのは、下級生がお化けに扮して上級生の部屋を周りお菓子を貰って行くのだが、その中に一人だけ例外がいる。乱太郎だ。
「でもさ、あの格好は…やばいよね」
「そうそう、めっちゃくちゃにやばい!」
「でも、似合ってるんだよね」
「そうそう、あれで、いたずらするって言われたらぜひっていっちゃうよね!」
は組は全員教室に集まっている。お菓子も盛大にそろっていた。乱太郎がここにくるのは最後だと聞いている。今回の護衛にはしんべヱと伊助が付いていた。二人の格好は西洋での騎士姿。衣装提供はしんべヱだ。
護衛というのは、下級生からのアタックや、元上級生達が来るなどして大混乱になるからだ。前回のことを踏まえ、元上級生は学園内には一日入れないことになっている。
「乱太郎は何を来ても可愛いからな」
きり丸の言葉に全員が頷く。
乱太郎は可愛いといわれることが、そんなに好きではない。だが、は組に対してそう言われても笑顔でありがとうと答える。どうも昔から言いなれているせいで麻痺してしまったらしい。
「さて、お姫様とその護衛の二人がお帰りだぞ」
兵太夫の言葉に、それぞれが配置につく。既に教室の中はカボチャのランタンで埋め尽くされている。
そして六年は組全員の格好といえば?
「狼のきぐるみです」
笑っていうのは三治郎。衣装の提供は伊助である。ただ狼といっても自分なりのアレンジを加えており、カッコイイ狼から普通の狼に可愛い狼で色とりどりだ。
「さて、みんな用意はいいか?」
「おー!!」
三人の足音が聞こえた。どうやら、収穫がたくさんあったようだ。
そして…扉が開いた。
「トリックorトリート!」
負けずには組もそれに返す。
「トリックorトリート!!」
お菓子をくれないといたずらするよ!
可愛きて大好きなあの子からそう言われてさ、
僕らが俺たちがそのままでおると思う?
そう、乱太郎がいたからここで笑うことを忘れずにくることが出来たんだ。
だから!
「「「「「「「「「「「happy Hallowe'en!! 乱太郎!!」」」」」」」」」