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みんなといっしょ!

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7:下級生にちょっかいだしてこよっと。

「…あのさ」
「なんでしょうか!」
「なんで、5年生が怪我してるのかな?」
「それはー」
「それは?」
「すみません! ちょっとからかいすぎました!」
 謝っているのは、六年は組の面々。怒っているのは乱太郎。それを見ているのはは組で加わらなかった三治郎・しんべヱ・伊助。伏木蔵は乱太郎を手伝いでいる。
「…まったく。大丈夫だった?」
「はい。大丈夫です。穴に落ちた後にすぐに先輩達がここに連れてきてくれましたし。乱先輩と伏先輩が手当してくれましたから」
「水瀬(みなせ)はいいこだね」
 水瀬という後輩の頭を撫でる乱太郎。伏木蔵もその子の頭を撫でる。それを見ていた三治郎は伊助としんべヱに不思議に思って聞いてみる。
「ね、二人とも」
「なぁに?」
「どうかした?」
「あの子って、乱太郎達と面識あるの?」
「水瀬くん? あの子は1年の頃から保健室の常連さんなんだよ。不運って訳ではないのに怪我をよくしさ。乱太郎のお世話になってるんだって」
 しんべヱが答えると伊助もそれに便乗する。
「そうそう。自分でもなんで怪我ばかりしてるのかわからないって言ってた」
「…それは不運ではないの?」
 三治郎は首を傾げる。
「んー、どうなんだろう。でも、僕らみたいにトラブルに巻き込まれてる訳ではないし、穴に落ちたりをしてる訳じゃないんだよ。ただ、怪我をよくしてるんだ。何もないところでこけたりもしてなし…」
「そうなんだ」
 三治郎は水瀬を見る。乱太郎と伏木蔵が気に入ってるだけあって、二人は水瀬を甲斐甲斐しく治療している。それを見ているは組のメンバー。少し不満そうだ。それを見て結果的に出てくることは。
「ああ、あいつらが焼きもちやいてるんだ?」
「三ちゃんもわかった?」
「伊助も気がついてたんだね」
「まーねー。しんべヱは?」
「僕は乱太郎といる時間多いからねぇ。自然にわかっちゃっただけ」
 団子を三つ頬張ってるしんべヱに苦笑する伊助。
「でも水瀬って子は別に乱太郎が好きな訳じゃないんでしょ?」
「そうだね。乱太郎にとっては弟、あの子は乱太郎と伏木蔵を兄みたいに思ってると思うよ?」
「でも、仲が良すぎて?」
「そ、他の連中が焼きもちやいてあの子に怪我させちゃうって感じ」
「乱太郎は知らないの?」
「どうだろうね。でも、わかってないところが乱太郎な気はするけどさ」
「しんべヱもいうね」
「六年間、乱太郎の一番近くにいましたから」
 きり丸としんべヱと乱太郎はずっと同じ部屋だった。だからこそ、わかるものもある。で、そんな中で乱太郎は小さな爆弾を落としていた。
「水瀬」
「はい。乱先輩」
「薬袋は持ってる?」
「はい。いつも持ってろって乱先輩に言われましたし」
「じゃ、今も持ってるね?」
「持ってますよ」
 そういって出したのは青の巾着。刺繍で水瀬と書いてある。は組メンバーが固まる。
「よし、いい子だね。薬の在庫とかどうなってる?」
「いくつかはなくなってたので保健室には行こうかと思ってたました。今回はちょうどよかったですね」
「水瀬、怪我してきてもダメだよ?」
「伏先輩。でも、ダイミングはよかたんですってば」
 笑う後輩に伏木蔵も笑う。乱太郎は二人が話している間に薬を足す。
「水瀬、薬足しておいたからね」
「ありがとうございます。じゃあ、手当も終わったので戻りますね」
「うん。今度は遊びにおいで?」
「はい!!」
 満面の笑みで水瀬は帰っていった。薬を片づけていると、そこにいたは組から質問があった。
「な、乱太郎」
「何? きりちゃん」
「あいつが持ってた巾着って…」
「ああ、水瀬の?」
 乱太郎の言葉の後に伏木蔵が続けた。
「あれは乱太郎のお手製だよ。あの子、昔からよく怪我をするからね。自分でも手当出来るようにって乱太郎が作ってあげたんだよ」
「…乱太郎の手作り」
 その言葉に何かしらは組のメンバーにあったのは確かだろう。
 その言葉に傍観していた三人はため息だ。
「…ありゃ、またひと悶着ありそうだな」
「乱太郎の手作りなんて、は組でも一握りしか持ってないしなぁ」
 それを持っているのは傍観している三人と伏木蔵なのだが。
「水瀬って子、また、大変かもね」
「ま、あの子天然で結構かわしてるから大丈夫」
「乱太郎の弟だね」
「弟だわ…」
 三人以外のは組は水瀬という下級生にちょっかいをまた出して今度こそ乱太郎が切れるのは近い。
 
作品名:みんなといっしょ! 作家名:とーすい