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こらぼでほすと アッシー15

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「それ、三蔵以外にはほざかないでくださいね? 悟浄。僕ら、本気のロクデナシという烙印を押されかねませんから。」
「いや、俺ら、キラよりは人数的には負けてるって。」
 肉弾戦で倒していくのと、MSでいっきに潰すのでは、一回に消す量は段違いだ。その手で殺したというほうが、実感はあるだろうが、実際の数からすれば、キラがダントツ一位には違いない。確かにねぇーなんて、のんきに八戒も同意する。テロに巻き込まれた民間人には同情はするが、運が悪かったとしか言えない。そして、そんなものに引き摺られもしない。人間なんて、いつかは死ぬのだ。どういう死に方をしたいかなんて、なかなか決められるものではない。何度も修羅場を潜ってしまうと、まあ、死ぬまで楽しけりゃいいかあー? ぐらいのお気楽な思考になってくる。
「悪いなあー、八戒。スピードコースにはいりまーす。」
「・・あ・・・ああ、もう・・・はいはい・・・」
 持ち時間三十分で、暢気なことはしていられない。悟浄が、直接攻撃に転じたので、八戒も、それに付き合うように体勢を変えて、うつぶせになった。
 




 心配されている寺のほうは、朝の食事も終わって、寺の女房は洗濯だ、掃除だ、と、動きまくっている。悟空と刹那の携帯に、キラからの緊急通信は入っていたが、それに、ママは気付かなかった。とりあえず、三蔵にも、それを見せてテレビをつけたが、こらマズイと慌てて消した。
「やることでけぇーな。」
 悟空は、騒ぎの規模に驚いていた。だが、刹那は冷静だ。自分たちも、同じことをしてきたから、それに対する感覚は、悟空たちとは違う。ただ一般市民を巻き込んだことに対しては嫌悪感を感じて、眉間に皺を寄せている。
「どうしよう? 三蔵。」
 あまりテレビは見ないが、食事時はつけている。主に、ニュースパックが多いので、いきなり昼飯時にバラエティなんかつけていると、怪しまれるに違いない。
「どうもこうもねぇーだろう。遅かれ早かれ知られちまうんだ、いつも通りにしていろ。それから、ちび、おまえ、ママの様子を見ていろ。」
「了解した。」
「でも、三蔵。」
「寝込むなら寝込ませろ。そのほうが被害は少ねぇーはずだ。」
 どう足掻いても、これだけ大々的に報道されているものは、知られないようにするのは不可能だ。それなら、第一報の段階でショックを与えて寝込ませたほうが対処しやすい。まだ、カタロンという文字は、報道されていないからだ。細かな事実が判明していくと、余計に神経に堪えるはずだ。
「一応、こいつらはテロリストなんだ。こういうのは慣れているはずだろ? おまえも、あんま映像は見るな、サル。」
 どちらかといえば、悟空のほうが危険だ。ああいう映像に、悟空の奥に潜んでいるものが反応する。修羅場を潜ってきたから、あんな場面は、何度も体験している。だからこそ、怖い。興奮すると、手がつけられないからだ。そんな状態で、外で喧嘩にでも巻き込まれたら、それこそ死体の山が出来上がる。なんてことになりかねない。
「たぶん、ロックオンは怒る。だが、それはテロリストに対してだ。あの映像自体は問題ではない。」
 以前、世界規模のテロネットワークに無差別テロを仕掛けられた時のことを思い出して、刹那が冷静に分析する。憤りは感じるだろうが、それは映像の悲惨さからではない。逃げようのない一般市民を巻き込んだことに対して怒るはずだ。ただ、カタロンがやったと判ったら、ちょっと想像できない。そして、刹那も、その部分で驚いている。情報として知らされていたことの中に、無差別テロをやった記録はなかったからだ。たぶん、エージェントであるライル・ディランディーは、直接、参加していることはない。だが、その組織に所属していることは、すでに罪になる。刹那が、ソラン・イブラヒムとしてKPSAに所属していたのと同じだ。
「刹那、天気いいから散歩でもしようか? 」
 掃除機を抱えたロックオンが、居間に声をかける。せっかく体調が良かったのに、と、それだけが残念だ。廊下に出て、刹那がロックオンの前にやってくる。
「なあ、いい天気だろ? もうすぐ、あの桜が咲いて、おまえの誕生日だぞ。」
 境内の大きな木を視線で示して、ロックオンは笑っている。少し綻び始めた蕾が、たくさん鈴なりになっているのが、開く頃、ちょうど刹那の誕生日だ。
「ロックオン、ユニオンで大掛かりな無差別テロが発生した。」
 だが、その木を見ることもなく刹那は、はっきりと言った。え? という顔で、まるでスローモーションのように視線が降りてくる。
「商業施設を爆破したらしい。民間人が巻き込まれた。アローズに対する抗議だと思われるが、詳細は、まだ不明だ。」
 淡々と刹那は、現在、解っていることについて口にした。聞き終えたほうは、すぐにテレビの電源を入れる。どこの局も報道特別番組をやっており、その悲惨な映像が流れている。
 しばらく、それを見て、電源を落とすと、掃除機を片付けた。そして、外出すると、三蔵に告げた。
「ちびと散歩か?」
「ラボか本宅なら、もっと詳しい情報が入っているでしょ? そちらへ行ってきます。」
 まずは情報の確保が基本だ。だから、いつも通りに動こうとしている。映像が過去の記憶と繋がる。こんなふうに、突然に奪われた。こういうことが起こらない世界は、まだまだ先だ、と、わかっていても気持ちは落ち着かない。
 ちろりと坊主は、その女房の言葉に、目を眇めた。これでカタロンが絡んでいるなんてわかったら、何をしでかすだろうと考える。
「おい、おまえ、何様のつもりだ? 」
「え? 」
「ただの寺の女房が、詳細な情報を掴んで、何ができる? 」
「でも。」
「だいたい、海の向うで、すでに起こっちまったことを後から調べたって、どうにもならんだろう。ただの事件だ。おまえには関係ねぇ。」
「関係はありませんが、調べることは可能です。テロであるなら犯行声明があるはずだ。」
「だから、それを知って、何をやらかすつもりなんだ、と、俺は聞いてる。」
 何と言われても、ロックオンには何もできることはない。組織が始動している時なら、ヴェーダやエージェントが犯人を確定させて、そこを叩くことが出来た。だが、叩くためのMSは、まだロールアウトしていない。犯人がわかったところで、どうすることもできない。そして、ロックオン自身が、MSに乗り込むこともできない身体だ。そう尋ねられたら黙るしかない。
「うちは、世界防衛隊じゃない。ユニオンでテロがあったって、何かすることなんてないんだ。」
「わかってます。」
「なら、情報を集める意味なんてねぇーのはわかるだろ? 」
 情報を掴んだところで、何をするわけでもないなら、無意味だ。坊主の言うことは、正論で不承不承、ロックオンも同意する。
「・・・はい・・・」
「それから、本宅へ行ったところで、おまえは、入れてもらえないぞ。おまえとちびは、アレルヤの件があるからな。」