アテナの聖闘士
「お前たちは今日までそれぞれ9人の戦士と戦い、勝ち抜いてきた。残った戦士はもはやお前たち二人のみ」
一人はカシオス。
2mを超える巨漢であり、これまでの対戦相手の首をすべて飛ばして勝ち進んできた、残虐さと実力を併せ持つ男である。
もう一人は聖矢。遠く日本から聖闘士になるために海を渡ってきた少年であり、強い意志を感じさせる瞳が特徴的であった。
「今日の戦いで勝ち残った一人がアテナの栄誉ある聖闘士となることが叶うのだ。そしてその者には・・・・・・」
「――お待ちください、教皇! 恐れ入りますがその前に申し上げたいことが」
教皇の声に割って入り、彼の前に飛び出しかしずいたのは仮面の女。
名をシャイナと言い、オピュユクス蛇遣い星座の聖闘士であり、この場に居るカシオスの師でもあった。
「なにか、シャイナよ」
「実は昨夜、セイヤが聖域(サンクチュアリ)を脱走したという疑いがあるのですが・・・・・・」