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こらぼでほすと 一撃1

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 ハイネの携帯端末にメールが着信した。相手は、鷹で、フェルトの降下日時が、はっきりしたとのことだ。

「ピンクの子猫が降りてくるぜ? 三蔵さん。」

「ちょうどいい。うちの女房の暇つぶしが増える。」

 じゃあ伝えてやるか、と、ハイネが台所へ足を向けたら、食事が運ばれてきた。桃色子猫の来訪を告げたら、親猫は嬉しそうに笑ったのは、言うまでもない。



 おやつを食べていると、キラたちが、現れた。時間があれば、おやつを食べにくるから、ちゃんと予備は置いてある。それをニールが卓袱台に置いたら、それを横目にしつつ、「まず、ママにお願いが。」 と、キラが切り出した。

「明日のリクエストか? 」

「違うよ。フェルトのことなんだけどね、降りてきたらゴールデンウィークは、僕らとカガリの別荘に一緒に行って欲しいんだ。ママから頼んでくれない? フェルト、僕らから言ったら、絶対に、ママのところに居るって言いそうだから。」

 フェルトの目的は、ニールの健康状態の確認ということになっている。組織としては、待機所でのリフレッシュ休暇扱いだが、アレハレのことを心配してニールが具合を悪くしたもんだから、定期的にフェルトとティエリアと刹那が顔を出すことに決めた。それが主目的なので、離れて行動なんてのは、フェルトがなかなかウンとは言わないだろうと、続けて、アスランが説明する。

「でも、フェルトだってリフレッシュしたほうがいいし、ちょうど、カガリのとこで、みんなで遊ぶことになってるから、一緒に行きたいんだ。」

 さらに、キラが続けて締め括る。二週間程度と連絡されているから、前半の年少組が休みのうちは、一緒に騒げばいいという提案だ。キラとアスランの提案に、悟空も、「それ、いいんじゃね? 」 と、賛成する。

「それは、俺の方からお願いしたいぐらいだな。」

 ニールのほうも、フェルトに、いろいろと体験させてやりたいとは思っている。わざわざ、寺で、自分の手伝いなんてしてないで、外へ遊びに出て欲しいとは思っていたのだが、一人では心配だ。年少組が連れ立って一緒に遊んでくれるなら願ったり叶ったりだ。

「じゃあ、頼んでくれる? 」

「ああ、一緒に連れて行ってやってくれ、キラ。悟空も行くんだろ? 」

「うん、行く。」

「なら、面倒みてやってくれな? フェルトは、あんまり外に出てないからさ。」

「それなら大丈夫。歌姫さんとカガリも途中で合流するからさ。たぶん、アイシャさんとマリューさんも空いてる日は参加するって言ってたし・・・・。」

 ただ、残念なのは、ニールが参加できないことだ。別荘ぐらいなら移動できるのだが、オーヴはダメと止められてしまった。せっかくの休みなのに、と、悟空は自分だけ出かけるのが、ちょっと悪い気になる。

「こっちは、うるさいのがいなくてせいせいするぞ。」

「ほんとに、たまには、ゆっくりしましょう、三蔵さん。」

 悟空の表情を読んだ寺の夫婦が、ナチュラルにいちゃこらしてくれるので、悟空も笑う。たまには、自分たちの世話から解放されるのもいいかもしれない。

「でも、間男はいるんだけどな。」

 ハイネが、それにチャチャをいれる。ラボは、ゴールデンウィーク関係なくシフトが組まれていて留守番が居座ることになっている。ハイネは後半担当なので、前半は、寺で居候生活の予定だ。

「おまえも行ってくればいいだろ? ハイネ。」

「たまには優雅な休暇を過ごしたくてな。」

「ホテル生活とか? 」

「そんなことしなくても、ここなら、適度に楽しい会話ができて丁寧な世話も受けられる。」

 ベッドはないが、ぴしっとノリのきいたシーツに布団、ほかほかの食事、適度な軽食、さらに、散歩相手もあるというのは、ハイネにとったら、優雅な休暇だ。

「悟空たちが留守だから、食事は手抜きになるぞ? 」

「そういう場合は、里のお父様を召還すれば、食事もグレードアップ。」

「トダカさんは、たぶん、オーヴだよ。」

「いや、あの人は帰らないよ。いつも、そうなんだ。」

 トダカは、オーヴには帰らない。いろいろとシガラミが残っているので、オーヴに入ると厄介なことになると、ハイネは聞いている。だから、いつも、この長期休暇は、近場へ親衛隊と旅行に行ったり、家でのんびりしている。

「それなら、食事は、うちでしてもらおうかな。どうせ、三蔵さんも飲むんだし、一緒に晩酌すればいい。」

「おまえ、チャレンジャーだな? 婿が舅を口説いて陥たら、どーすんだよ? 」

 酔っ払ったら口説き魔と化す三蔵の酒量は、トダカより少ない。晩酌していれば、確実に口説き魔になるというのに、恐れを知らぬとハイネがツッコむ。

「トダカさんは陥ないから大丈夫だよ、ハイネ。・・・・ということなんでな、キラ、アスラン、悟空。うちのほうは、大人だけで、のんびりさせてもらうから頼んだぜ。.」

「わかりました。明後日の午後便でエアポートに到着しますから、迎えには行ってくださいね? ニール。」

 出迎えは、ニールでないと、と、アスランが依頼する。逢わせないままに連れ去るのは不可能だ。まず、ニールの元気そうな顔を見せて、それから、オーヴへ案内する。

「わかった。」

「僕らは、明日の夜から出かけるので、明後日は誰かに迎えに来てもらうようにします。」

「それ、エアポートで待ってればいいのか? 」

「そうですね。悟空は、明後日からだったかな? 」

「ああ、明日は授業があるから明後日だ。シンとレイも、そうだと思う。」

「それなら、エアポート集合で手配しよう。ハイネ、ママのほうは頼んでいいか? 」

 年少組を送りがてらに、エアポートまで出てきてもらって、フェルトと顔を合わせてもらえば、ニールは一人にならない。帰りは、間男がアッシーすればいいか、と、アスランが計画を建てる。

「おう、了解だ。ママニャン、俺とドライヴデートしようぜ? 」

「別に、勝手に帰るからいいよ。」

「まあ、そう邪険にしなくてもいいだろ? アスラン、こっちは任されてやるから、フェルトちゃんのほうは、しっかり頼むぞ。」

「こっちも了解だ。」

 そうは言ってても、全員、オールタイムホリデーというわけではない。キラとアスランは、オーヴのメインマザーから、いろいろと情報を取り出して組み立てるつもりだし、シンとレイはオーヴの新しいMSのテストにも借り出される。悟空は、もちろん、カガリンラブたちの武術指導だ。そういう用途もあるので、適当にフェルトは順番に相手する予定だ。カガリと歌姫が、合流してくれば、そこからは、ふたりが相手をしてくれる。カガリたちにも伝えたから、そちらは、遊ぶ気満々だ。





 そんな予定だったのだが、当日になって、カガリが参戦してくることに変更になった。ついでに、寺へ一泊してからにしようなんて、勝手な連絡をしてきた。

「なんで、一泊なんだ? 」

「それぐらいの時間、ママを観察させてやったほうが安心するだろ? だから、ママは迎えに来なくていい。私が寺までエスコートする。」

「いや、待て、カガリ。おまえさん、忙しいんじゃないのか? 」
作品名:こらぼでほすと 一撃1 作家名:篠義