二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

From birthdays To Valentine!!

INDEX|2ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

2月12日 「不憫親分の慰め方」



心地よい朝だった。
ベッドからモゾモゾと出て適当に着替える。
そして、朝食の準備。
ここまでは何の変哲もない、平和な日常である。

(ブブブブブブブブ…)

突然、ケータイが鳴り出す。

「もー…何なの? お兄さん忙しいのに」
(ピッ)
「もしもし?」
「フランシスぅうううう!!!! 聞いて! 聞いたってぇええ!!!」

耳をつんざくような大声。
相手は口調からわかる通り、アントーニョだ。

「うるさい!! 声量下げて! 切るよ!? 今すぐ!!」
「そんなこと言わんで聞いたってぇなぁああ!!!」

向こう側からは泣きじゃくるような声が聞こえてくる。
何かあったのだろうか?

「…どうしたの?」
「うぐっ…あのな、実は今日な、オレが1年間ずっと待ち続けてた日やねん」
「トマト祭はまだじゃないのか?」
「違う!! それも楽しみやけど違う!!」

カレンダーをチラリと見る。
日付は2月12日。

「あぁ、菊の誕生日の次の日か」
「ヒドイィイイイイイイイ!!!!」
「あはは、冗談だって…お前の誕生日だろ? Joyeux anniversaire!」
「Gracias…でな、今日開いてる?」
「お兄さん、可愛い子と遊びたいんだけど…ってかロヴィはどうしたの?」
「フェリちゃんと一緒にルートん家行ってるって」
「…ギルは?」
「菊ん家にいるらしくて『二人楽しすぎるぜ』っていうメール送ってきよった」
「別荘の奴らはどうなんだ?」
「…予定あるからアカンって
 でなっ!? オレ、そんなんで諦める奴ちゃうやん!って思て…」
「…うん」
「眉毛とメタボにも連絡取ってん!!」

死ぬ前にはボコりたいと思ってる奴と誕生日を過ごそうなんて
この親分、相当、太い神経を持ってると見える。

「せ…せやったら…眉毛の野郎は…
 『今、耀に料理教えてもらってたんだ』 
 『どうなったら、スコーンがこうなるあるかっ!?』って電話の向こうから…」
「耀がデレてる…!」
「んでメタボは
 『明後日、連合の皆を驚かせるサプライズを用意してるんだぞ!!』って言いよって
 その上、事情説明したやったら…
 『君、可哀そうだねww』って笑いよったぁああああ!!!!!」
「おつかれさまです」
「だからぁ…お願い! オレと誕生日一緒に過ごしたって…」
「オレ、可愛い子と遊びたい」

そう言った瞬間、「ピンポーン」という音が玄関から聞こえた。
そして…

「フランシスぅううう!!!!」

さっきまでケータイで話していた相手が飛び込んできた。

「あ、アントーニョ!? もしかしてお前…」
「離さへんで!! 絶対!! 遊びになんか行かせへん!!」

腰に抱きついて鼻水とか涙とか色んな汁まみれの顔をこすりつける。
おそらく、電話したころには家を出ていたのだろう。
オレが出掛けるかもしれないから会話を長引かせ、時間稼ぎをする。
んで、オレの家に転がり込む…と。

「お前にしてはよく出来た作戦だな」
「でも、電話の内容、全部事実やから」
「はいはい…それじゃ、今日は
 アントーニョっていう可愛い子と遊びますか…」

ポンポンと頭を軽く叩く。

「うん!!」
「お兄さんのいう遊び、分かってる?」
「は?」



いやぁああああああああああ!!!!!


作品名:From birthdays To Valentine!! 作家名:狼華