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こらぼでほすと 一撃2

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、高速道路は大渋滞、観光地もリゾートホテルも、どこもとなると、行くのが億劫になっ

た。

「何もしないでダラダラってーのは、どう? 」

「それでよろしいですけどね、悟浄。僕としては、規則正しい生活はしたいので、一日の

うち何時間かは、服を着て過ごすという条件はつけさせてもらいます。」

「あららら・・・・・お堅いわねー八戒さん。」

「そうしないと、五日間、あっという間に過ぎてしまうでしょ? せっかくの休みなんだ

から。」

「せっかくの休みだから引き篭もるっていうのもいいんじゃないのか? 」

「引き篭りねー僕は、そこまで欲求不満じゃありません。」

「いや、せっかくだから場所変えるとかさ。台所なんて刺激的じゃないか? あと、玄関

で声を潜めてとか? 」

「悟浄、AVの観すぎですよ? わざわざ、そんなとこでいたさなくてもいいと思います

けどね。」

「さすがに青カンはさー、人が多過ぎて無理そうだしなあ。」

 自分の亭主の親父さ加減に、女房のほうは呆れて肩を竦める。すでに、それは、付き合

い始めた頃に、散々にやっただろう。そこまで盛り上がるには、付き合いが長くなり過ぎ

て、八戒には無理だ。

「そこまで情熱があるとは思わなかった。」

「情熱はないんだけどさ。なんとなく、普段はできないことって言うと、そういうとこか

な、って感じ。おまえは、どーなんだよ? 何がやりたいんだ。」

「これといってはないですね。適当に外へ出たり、長編ミステリーに挑戦したり、大物の

洗濯したり、そういうとこですかね。」

「枯れてるぞ? それ。」

「でも、今更でしょ? まさか、強姦ごっことかしてもね、相手は、悟浄だし。」

「おーい、八戒さーん、俺より酷いこと言ってないですかー?  目隠しは、どうよ? 



「氷プレーをおまけしても、かなりの回数やってませんか? 」

「やってるな。確かに。」

 長いこと夫夫をやってると、すでに、いろいろとやっているわけで新しいものというの

が、思い浮かばない。どれをやっても、いつもの通りという感覚だ。そこで刺激を求めな

くても、別にいつも通りでいいんじゃない? という結論になってくる。

「いつも通りのダラダラでいきますか? 」

「そんなとこですね。」

 ようや結論に行き着いて、ベッドでごろごろしていた二人が起き上がる。すでに、昨晩

から、休みだなあーと好きにできるなーと盛り上がった後だ。

「とりあえず、誰とも連絡取らないって方向で。二人っきりでダラダラで。」

「ああ、それは最近なかったから新鮮です。」

 こんな休みの時というのは、悟空を誘って遊びに行ったり、「吉祥富貴」年少組の引率

したりしていた。それがないというのは珍しい。寺に女房が来てから、八戒のおかん業務

が減ったためだ。今回も、寺には女房が居て、おそらく坊主は甲斐甲斐しい世話をされて

いることだろう。以前なら、ひとりぼっちで可哀想だから、と、悟浄たちが顔を出してい

た。

「一番、三蔵が得してる気がします。」

「あの坊主、ママニャンに関しては一人勝ちだもんな。」

「あそこも、水入らずでしょうから、僕らも、そうさせてもらいましょう。初日は、どう

します? 悟浄。」

 本日が、その初日。すでに太陽は高いところで、燦燦と陽光を降り注がせている。ブラ

ンチというにも、遅い時間だ。ふたりとも空腹ではある。

「美味いモンでも食いに行こうか? 家事も休みにしちまえよ、八戒。」

「おや? さっき、引き篭もりとかおっしゃってませんでしたか? 」

「今夜から引き篭もらせていただきます。いつものご愛顧に感謝して、徹底的にご奉仕っ

てことで、どう? 」

「じゃあ、僕はマグロになってればいいんですね。」

「いや、協力は要請するぞ? 」

「あはははは・・・・協力しなきゃいけない気分にしてくださったら、喜んで? 」

「させていただきますとも、イノブタ女王様。」

 なんだかんだ言っても、沙・猪家夫夫は、いちゃこらしていることに変わりはない。引

き篭もり用の食料を確保して、ついでに、デートしようなんて外出をするわけで、どう考

えても、どっちも引き篭もりを楽しんでいるとしか思えない。







 さて、こちら、ハイネのほうは大型スーパーでカートを引いていた。トダカを一旦、家

に送り、旅行準備をしてもらっている間に、ニールと食料の買出しということになってい

る。

「で? リクエストは? 」

 アッシーしたんだから、俺のリクエストに応えろ、と、ハイネが言った。というわけで

買出しをしているので、ニールが尋ねる。

「きんぴらと肉じゃがと切り干し大根。」

「はあ? そんなもん? 」

 それなら、寺にある食材で事足りるメニューだ。薀蓄垂れるハイネのことだから、凝っ

たものをリクエストされると思っていたから、ニールのほうは気が抜ける。

「家庭料理っていうのが、一番ぐっとくるもんなんだよ。」

「そんなもんが食いたいなら、彼女を作りゃいいんじゃねぇーか? それ、どう考えても

、彼女に作ってもらいたいメニューだろ? 」

「だから、おまえに作ってもらいたいんだろ? ついでに、雲丹のいいのがあったら食い

てぇーな。」

 鮮魚売り場へ、ハイネは勝手にカートを押して行く。ニールが、寺に居着いてから、ア

ッシー業務でスーパーに来ることが増えたから、ハイネも場所に詳しくなった。それまで

、こんな場所に出入りすることなんて考えなかったのに、だ。食事は外食オンリーだった

ハイネとしては、家庭料理というのが、一番食べられないメニューだった。今は、寺へ行

けば食べられる。それも、かなり美味しいものだ。

「卯の花とかヒジキとか、そういうのもか? ハイネ。」

「おう、ちまちまと、いろいろと食いたいな。」

 だいたいのハイネの希望が分かったので、ニールのほうも物色を開始する。作り置きが

可能なものばかりだから、ここ数日の副菜にするつもりで、いろいろと用意することにし

た。ただし、量は通常の五分の一だから、少ないので、それを気をつけてカートに食材を

放り込む。

「悟空がいないと、どうも調子が狂う。」

「そうだよなあ。あいつ、ほんと、よく食うもんなあ。」

 そのお陰で、ニールは余計なことを考える暇もないわけで、体調は安定している。たか

が五日、されど五日。そこいらは、どうなんだろう、と、ハイネは気にした。明日から、

寺は夫夫水入らずだ。時間が余れば碌なことを考えない。

「デートって、いつするんだ? ママニャン。」

「さあ? 三蔵さんが行きたくなったら、だろうな。」

 それなら、毎日どっかへ連れ出せと言っておくか、と、本日の心の予定にメモする。交

代するダコスタが暇なら寺へ顔を出して貰うという手もある。そんなことを考えていて、

ふと、カートの中身を見て、びびった。ものすごい量が放り込まれている。

「待て、おまえ、大人組だけで、こんなに消費できるわけないだろ? 」

「あ、そうだった。少なめにしてたつもりだったんだけど。」
作品名:こらぼでほすと 一撃2 作家名:篠義