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野沢 菜葉
野沢 菜葉
novelistID. 23587
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きらきら星 【中編】

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9
色素の薄い髪を肩まで伸ばして、髪と同じ色のクリっとした瞳。
決して目立つような容姿をしているわけではないが、聴き上手でクラスの人からの評価は高い。
何でも優しい笑顔が好評で、クラスの中でも狙っているやつは多いとか…。

坂井さんはそんな人だった。

気づこうと思えば気づけたはずだ。相手は水谷なのだから。
水谷のこと想って見てきたのはオレも同じだ。
だから、同じように水谷のことを見ている多くの視線にも気付いていた。
だけど気づかないふりをしていたのは…
1%でも叶うという、オレにはない可能性を突き付けられて辛いから。


だけど、まさかあんなこと尋ねられるとは思わなかったなぁ。
オレが上手く友達やれてるって証拠かな。

(嫌だよ。誰かのものにならないで。)

それにしても、水谷に好きな人がいるとか考えたことなかったなぁ。

(オレのこと見て。ずっとそばにいて。)

水谷が誰かと付き合ったら、諦めついて丁度良かったりして。

(大好きだよ。大好きなんだ。離れたくなんかないよ。)

水谷と、隣で楽しそうに笑う女のコ。
夢の中の出来ごとに朝枕が濡れていても…

現実の出来事に胸が締め付けられても…

自分の本当の気持ちは隠して隠して……



「栄口おはよー!!」

お前が笑ってくれるなら…

「っはよ!」

オレはまだ友達の笑顔で頑張れる。











「えっ!?好きな人!??」
「うっうん。水谷って女のコと仲良いし、好きな人いないのかなぁって…。」
今日は久しぶりにお昼を一緒に食べていたので、思い切って聞いてみた。

「うーん。好きな人かぁ…。」
水谷は本気で考えているらしい。
考えるってことは、いないってことだよね。
少しホッとして胸を撫で下ろす。

「でも…気になる人ならいるかな。」
「えっ?」
驚いて水谷を見ると、照れたように笑っていた。

「えへへ~。あっ栄口の卵焼きもーらい!」
「えっ!あっちょっと!!」
止める隙もなく、あっさりとオレの卵焼きは水谷の口の中へと入っていく。


「ん~!おいし!!俺栄口の作った卵焼き大好き!!」
「そっそう?」
素っ気なく返事してみたけど、内心はかなり嬉しい。
そんなこと言われたら明日も卵焼き作ろうかな…なんて。

「…料理も出来るし、構ってくれるし…俺栄口みたいな恋人が理想かも!」
「…っ!!」

なんてね~とか言って、へらへら笑っている水谷をもう直視することは出来なかった。
適当に流さなければと思うのに、身体が熱くて頭が真っ白になった。
さっきの言葉が頭の中で繰り返される。

嬉しい!嬉しい!!
もしかして、少しは脈あるのかな?
ふざけてっていっても、冗談だってあんまりこんなこと言わないよな。

完全に舞い上がってしまったオレは、必死になって冷静を装うとした。
まさか、水谷の口から予想外の言葉が出てくることも知らずに…。

「そう言えば、前から思ってたんだけど──」