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救われない報われない

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『なぁ新羅、この頃池袋は物騒になったな・・・帝人が死んでから』

「そうだね。無差別殺傷事件。確かに帝人君が死んでから起き出しているねー」

『っ!犯人は分かってるんだろ新羅!あいつを、臨也を止めないと!!帝人は・・・きっとこんなこと望んでない・・・』

うなだれるセルティの握っていた拳を新羅がやんわりと両手を使って包み込むと、どこかやるせない苦笑を浮かべた。

「臨也が犯人だと僕も確信している。でも、証拠が無いんだよセルティ」

『証拠なんてっ!私があいつをがんじがらめにすればこの奇行もっ!』

セルティが最後まで言葉を紡ぎ終わる前に新羅はその女性特有の細い身体を抱きしめた。

「僕はね、セルティ。臨也の気持ちが分かるよ。もし、セルティが帝人君と同じ目にあったら・・・きっと私もあいつと同じ事をする。
それに、僕は君を危険な目に合わせたくない」

『しんら・・・』

セルティは震える腕を新羅の背中に回すと、白衣を皺が付くほど握りしめる。セルティには何も言い返せなかった。
言い返せるわけがなかった。きっと自分も新羅が同じ様な事になったら、臨也と同じ殺人鬼になるから。