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こらぼでほすと 一撃3

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さて、と、アスランが来週のイベントについての企画会議に移行させる。毎年のことだか

ら、なかなか、奇抜なアイデアというのは出ない。

「制服大会とか? 」

「やめろよ、キラ。それ、洒落にならんわっっ。だいたい俺は、どれを着るんだよ?」

 連邦、オーヴと渡り歩いた鷹は、着ていたものがありすぎるので、大反対だ。敵味方入

り乱れている陣容で、それはまずい。

「去年、花だったから、今年は魚とか? 」

「頭に魚を貼りつけてお遊戯するつもりか? 」

「それなら、鳥はどうですか? 」

「動物なら、種類多くね? 」

「鷹とか虎とか名前ついてる人いるしな。」

「それ、どんな服装になるんだ? 年少組。」

 服装で差別化するとなると、それは、かなりイロモノな格好にならないか? と、虎が

指摘する。あくまで、ここは、ホストクラブだ。優雅にセレブの相手をするのに、イロモ

ノはいただけない。

「民族衣装は? 全員、八戒さんみたいなの着ると綺麗だよね? 」

 八戒だけは、常にチャイナ服を着用している。施術をするから、その雰囲気を出すため

の演出だが、似合っていると、キラは思う。

「それはいいかもしれないな。」

「チャイナは形も種類がありますし、各人に似合う色と形を選べは、見栄えはしますね。

キラくんに皇帝服を着せて、オーナーが皇后服で並ぶとか・・・・それなら、どこかの衣

装部にかけあえば、サイズも種類も揃うと思いますよ? 」

 チャイナ服といっても、種類は多数ある。官服から普段着まで、形もいろいろだし、何

より刺繍が施されて華やかなのが、クラブには似合う。

「店の内装も、それらしく飾って、チャイナ風のパーティーということで準備します。そ

れなら、手間はかからないな。」

「料理もか? 」

「爾燕さん、宮廷料理風のオードブルとかは、任せてもいいですか? デリバリーも使っ

てくださって結構ですから。」

「ああ、それなら、知り合いのコックたちに頼んでみるさ。紅は、自前があるだろ? 」

 アジア圏某国の王子である紅は、自前で礼装を持っている。それでいいだろう、と、爾

燕が言うと、そうだな、と、相手も頷いた。

「レイは、女物が似合いそうだな? 」

 王子様風のキラキラ美人のレイだと、宮廷の皇女辺りの設定じゃないか? と、悟浄が

言うと、周囲も頷く。

「また、女物も混ぜるってこと? それとも、ユーレイってことか? 悟浄。」

「女房とかに拘らず、着られそうなヤツは、そっちでもいいってことにしないか? アス

ランも、そっちのほうがいいぞ? 」

「俺も、女物着たいなあ。」

「ハイネはギリギリだな。」

「ニールは身長がありすぎるか。」

「ダコスタは、どうする? 」

「すいません、男ものにしてください。」

 店のスタッフは、全員イケメンだが、種類が違うので、こういう場合は、適当に似合い

そうなのが女装ということになる。

「サイズの問題もあるから、とりあえず、それは調べてみます。他に、何かないか?」

「あのさ、アスラン。どうせなら音楽も、そっちの楽団を呼んだら、どうかな? 胡弓と

か、楽器も音楽も違うから珍しいんじゃないか? 」

「紅、知り合いに楽団はあるか? 」

「うちのでよかったら呼び寄せる。一応、一通りはできるぞ。」

「じゃあ、頼む。」

 やるなら徹底的に、が、『吉祥富貴』の基本だ。中華風世界という設定なら、それに見

合うものに、すべて合わせる。食器なんかは、元から、そちらのものを用意しているから

、問題はない。

「問題点は顔だろ? 俺とか鷹さんは、アジアの顔じゃないからな。」

「それは、問題ないって。うちの親父、金髪だけど、着物似合ってるじゃん。紅だって、

民族的には虎さんに近いし。」

「アジア圏って言う括りだと、かなりの人種が含まれるからな。」

 間に合えば、そちらの民族衣装を用意するという方法もある。アジアに含まれる地域に

は、白人もいるからだ。今更、それは問題にならない。

「今年は、チャイナ風ということに決まりました。衣装が届いたら、各人、チェックして

ください。」

「円月刀とか腰に差しても良い? アスラン。」

「キラ、おまえの衣装は皇帝服だから武器携帯は無理。」

「てか、円月刀って・・・・もろ、ゲームの武器じやないっすか? キラさん。」

「てか、それはアラビア風の剣だと思うぞ? キラ。」

「えーーゲームでは、チャイナ服の人が差してるよ? 」

「だから、ゲームのコスプレじゃねぇーってば。」

 いろいろと混乱はあるが、そこは、八戒に仕切って貰うことにする。本物のアジアな人

なら、ゲームと混同することはない。




「ねえ、ニール。あたしとばっかり一緒に寝てくれるけど、たまには三蔵さんのところで

寝てくれていいよ? 」

 長閑な昼食の席で、ものすごい爆弾発言が飛び出した。ぶふっと坊主と女房は、食べて

いたものを喉に詰めて咽る。お水、お水と爆弾発言だと気付かないフェルトは、ふたりに

水を渡している。

 ひとしきり、咽て落ち着いてから、「いや、あのな。」 と、真実を説明しようとした

ニールの言葉を遮って坊主のほうが口を開いた。

「ママは、たまにしか帰ってこないおまえと一緒がいいんだ。俺は、おまえがいないと毎

日、一緒だから気にするな。」

・・・・・あんたぁぁぁぁーーーっっ、なんてこと、ぬかしてんですかぁぁぁぁぁぁっっ

・・・・・・・・

 さらっと吐き出された言葉に、ニールのほうは唖然とする。それ、肯定以外の何もので

もねぇーじゃんかっっと叫びたい気分だ。

「そうなの? なら、いいんだけど。」

「それより、家に籠もってないで、どっかへ遠征して来い。土曜日には帰るんだろ? 」

「うん。」

「おい、どこか連れて行ってやれ。」

 と、言いつつ、お茶碗を差し出している亭主に、脱力しつつ女房も、ごはんをよそって

返す。まあ、確かに、せっかくの地上で前半は、遊び三昧で、後半は寺で逼塞じょうたい

というのも可哀想だ。

「何か見たいものはないか? フェルト。」

 さすがに、遊園地は勘弁して欲しいが、それ以外なら案内はしてやれるので尋ねてみる

。桃色子猫は、うーと、しばらく中空を睨んでいたが、「水族館」 と、言い出した。以

前、桃色子猫が降りた時にも案内してやったことがある。

「熱帯魚をもっと見たい。」

「ああ、それなら午後から出かけよう。」

 おやつと酒の肴さえ作れば、留守しても問題はない。亭主と亭主の連れ子はバイトだか

ら、夜までのんびり水族館を見て桃色子猫と外食して帰ってくればいい。

「そういや、今回は買出しは? 」

 いつも、実働部隊の個人的な買い物が、降下する人間には依頼される。フェルトもティ

エリアも毎回、それを携えているので、ニールが準備している。純粋培養テロリストのフ

ェルトとティエリアには買出しミッションは難しすぎるからだ。

「今回はないの。」

「おや珍しいな? ミス・スメラギの酒は足りてるのか? 」
作品名:こらぼでほすと 一撃3 作家名:篠義