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こらぼでほすと 一撃4

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めに、年少組が、寺へ出向いて世話をして貰ったり甘えたりするのが、いつものことにな

りつつある。

「それ、寺には連絡してあるの? 」

「昨日、三蔵さんと悟空くんには言ってある。」

「じゃあ、俺とレイも、こっちに泊まろう。」

 ニールが、お里に帰って来ると、レイも、ウキウキと泊まりに来る。シンも、同様だ。

至れり尽くせりの世話をしてもらえるからだ。そして、おいしい食事にもありつける。た

ぶん、メールすれば、レイも拉致に参加してくるだろう。





 さて、そのレイ本人は、きちんとママのところに顔を出していた。シンとは別行動だか

ら、お寺でおやつを食べている。本日は、韓国風冷麺だ。焼き豚だの茹でタマゴだの、野

菜てんこ盛りのボリュームのあるおやつで、おまけで、ミカンのゼリー寄せがついている



「シンは、実家か? 」

「ええ、シンの授業が休講になって時間が空いたから、戻っているはずです。」

 以前なら、レイも、あちらに顔を出していたが、今は寺へ直行だ。ここに戻ると、優し

いママとおいしいおやつが待っている。

「悟空、足りたか? 」

「うーん、焼き豚だけ、もうちょっと欲しい。」

 大きなドンブリで、わしわしと食べている悟空は、腹を擦りつつ、そう言うので、フェ

ルトは大笑いしている。すぐに、厚切りの焼き豚が運ばれてきて、それにかぶりついてい

る。

「レイは? 」

「俺、みかんゼリーのおかわりが欲しいです。」

「はいよ。」

「ああ、俺もっっ。ママ、俺も。」

「わかったから、食べながら喋るなっっ、悟空。」

 缶詰のみかんを寒天で纏めただけのデザートなのだが、これが、レイはお気に入りだ。

なんてことはないのだが、おいしいのだ。

「桃色子猫、缶ビール。」

「はぁーい。」

 さらに、坊主は、みかんゼリーを、もっきゅもっきゅ食べていたフェルトに、空になっ

た缶を振っている。

「フェルト、それで終わりだから、次持って行くなー。」

 冷蔵庫から缶ビールを取り出している桃色子猫に、親猫が声をかける。酒量を考えてお

かないと、店に行って即口説きモードはまずいから、ニールが、そこいらは加減している



「わかったー。ごくー、麦茶は?」

「いるーおかわり。レイは、アイスティーか?」

「いや、俺はいい。」

 女の子がいると空気が華やぐなー、と、悟空は、麦茶を入れて貰って笑っている。妹が

いると、寺は、さらに明るくなる。

「はい、おまちどおさま。」

 とこんと置かれたガラスの器は、みかんゼリーの横に、赤いさくらんぼと、ちょこっと

アイスが乗っている。たぶん、これが、おいしいと思う原因だ。あーーずるいーーーあた

しもーーと、フェルトが抗議する。

「おまえさんは、晩ご飯の後でな、フェルト。みんなは仕事だから優先。」

「そうだよ、フェルト。おまえ、ママ独占してんだから、おまけいらないだろ? 」

「いるよーニールのお菓子、明日で食べられなくなるもん。」

「夏に降りてくるんだろ? すぐじゃん。」

「そうだけど。」

 わーわーと騒がしいおやつタイムに、レイは微笑んでいたが、メールの着信ら気付いた

。それを読んで、さらに、いい笑顔になったのは、言うまでもない。






 とうとう、土曜日か、と、内心でがっかりしつつ、空港まで桃色子猫を送っていった。

悟空ではなく、シンとレイがアッシーに来てくれたので、そちらのクルマに乗せてもらっ

た。電車で移動するつもりだったが、まあ、見送ってくれるなら有難い。

「早めに連絡くれよ? フェルト。アスハが気にしてたからさ。」

「うん、予定を組んだら、すぐに知らせる。」

「貨物で送った物は、別便で搬送している。これが、引き取り用のデータだ。」

 カガリが、お菓子や食料品を差し入れしてくれたものは、別便で軌道ステーションへ送

られている。それを、フェルトが乗りこむ小型艇に搬送してもらえるように手配もしてく

れたらしい。レイが、データチップをフェルトに渡す。これが、荷物引取りの証書だ。か

なりの大荷物らしい。

「気をつけてな? 」

「うん、ニールも気をつけてね? 」

 チェックインカウンターで、チケットを受け取って、デパーチャーゲートで挨拶すると

、お別れの時間だ。休暇に顔を合わせるだけになったから、なんていうか、どっちも寂し

い。ぎゅっとフェルトが抱きつくと、ニールは、「また降りてくるだろ? 」 と、宥め

て背中をトントンと叩く。

「ほら、ファイナルコールだ。行って来い。」

 時間なんて、あっという間だ。フェルトの乗る便が、最終案内を始めてしまうと、ぐす

ぐずしている暇もない。ティエリアに、よろしくな? と、言いつつ、ニールが桃色子猫

の身体を引き剥がす。

「行ってきます。」

「またな。」

「夏に逢おう。」

 フェルトが寂しそうに挨拶するのに、シンとレイも手を振る。振り返り振り返り、フェ

ルトが、ゲートを越えて姿が見えなくなると、ニールが、はあーと大きく息を吐いた。

「ママ、送迎デッキへ行きましょう。」

「俺、なんか飲みもの調達してくるから、先に行ってくれ。」

 これから、桃色子猫の乗っている飛行機が離陸するまで、ニールは送迎デッキから離れ

ない。ファイナルコールしてから、まだ三十分はかかるはずだ。

 シンが側を離れ、レイが腕を取って親猫を送迎デッキに案内する。何度か、この場面を

見ているが、おもしろいぐらいに親猫の態度は変わる。寂しいのだと思うが、レイには慰

める言葉なんてものはない。その代わり、掴んだ腕は離さない。俺は、ここにいますとい

うアピールだ。

 昼間の送迎デッキは、混んでいた。土曜日ということもあって、旅行客や飛行機の鑑賞

をしている家族連れなんかが多い。離陸がよく見える場所のベンチへレイが案内して、ふ

たりして座った。

「ゲートナンバーからして、あれがフェルトの機体ですね。」

 離陸前の飛行機を、ゲートナンバーから割り出して、レイが教える。すでに、貨物は積

み込み終わったのか、エンジン音が聞こえている。ぼんやりと、親猫は、そちらを眺めて

いるが、返事はない。その代わり、違う言葉が返ってくる。

「二週間てのは短いなあ。」

「前半は、カガリのところだから実質は一週間ですからね。」

「いや、それも含めてさ。ティエリアや刹那は、一ヶ月は滞在するからさ。」

「でも、フェルトは、その代わりに今年は回数を増やしたと言ってました。二ヶ月もすれ

ば、また逢えますよ? ママ。」

 予定を組んでみたら、自分の長期休暇を組み込めなかったので、短期で数回という具合

に、フェルトは自分の休暇を組んだ。だから、夏に、もう一度、降りてくる予定だ。

「わかってんだけどさ。向こうへ帰られると寂しくてな。」

 地上どころか特区からも、ほとんど移動できないニールにしてみれば、フェルトだけを

組織に返すのが、とても心配になる。今は、本格的な始動をしているわけではないが、そ
作品名:こらぼでほすと 一撃4 作家名:篠義