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【かいねこ】桜の季節に共に笑おう

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「マスター、これ使ってないんなら、ください」

夜、放置されていた折りたたみ傘を引っ張りだして、帰宅したマスターに見せた。

「いいけど、なにすんだ?」
「は?使うんですよ」
「いやそうだけどさ。何でお前は、俺に対してだけ厳しいんだよ」
「え、あの、普通です」
「いや、普通はもっとこう、あれだろ?ほら、何て言うか、『お帰りなさいませご主人様』的な」


・・・・・・・・・・・・。


「いろはさーん、マスターにセクハラされたー」
「ぎゃああああああ!!違うわあああああああ!!」
「マスター!カイトさんに変なことしたら、承知しませんよ!!
「してねえよ!!」




翌日、買い物袋に折り畳み傘を入れ、買い物に向かう。
いろはさんには、雨が降っても迎えに来なくて大丈夫だと、予め言っておいた。
いつものスーパーへと、ぶらぶら歩いていたら、

「カイトっ!!」

いきなり腕を捕まれ、驚いて振り向く。
そこには、見知った顔の女性。俺の、前のマスターが立っていた。

「えっ・・・・・・」

こちらの戸惑いに構わず、彼女は満面の笑みで、

「カイト、迎えにきたよ!一緒に帰ろう?」
「は?え、なっ」
「やっぱり、カイトがいないと寂しくて。一緒に帰ろう、カイト」

ぐいっと腕を引っ張られ、反射的にふりほどく。

「カイト?」
「ち、違います!人違いです!!」

そう叫んで、全力で走り出した。
後ろから、呼び止める声が響く。


何で、今更?
迎えにきた?何故?

所有権の譲渡は済んでいる。
煩雑な手続きを踏んで、俺は、正式にマスターの元に迎えられたのに。

やっと、帰る場所が出来たのに。