二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
野沢 菜葉
野沢 菜葉
novelistID. 23587
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

きらきら星 【後偏】

INDEX|4ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

4
「一旦休憩―!!各自水分とってねー!」

モモカンの声で、だらっと力が抜ける。きついけど、やっぱり練習は楽しい。
ベンチに戻ろうとすると、栄口がしゃがみ込んでいて、そこに巣山が駆け寄っている。
(栄口…どうしたんだろう?)
俺も様子を見に行こうとしたその時、栄口は立ち上がったと思うと、
そのまま膝からガクッと倒れこんだ。

「!!」
間一髪のところで巣山が受けとめた。俺も慌てて駆け寄る。
ほかのメンバーも、様子に気がついて集まってきた。

「栄口どうしたの!?」
「たぶん貧血じゃないか?顔色悪かったし。
 とりあえずベンチまで運ぶから、水谷手貸してくれ。」
「わかった。」
巣山が頭を支えていたので、俺は足の方へとまわる。

「大丈夫か?手貸すぞ。」
いつの間にか阿部も近くにいて、そう言って、巣山と逆の上肢を持ちあげた。

――触らないで

きっと凄い目で見ていたのだろう。こちらをみると驚いた表情で、
「おい、なんちゅー顔してんだよ。貧血だから休ませれば大丈夫だって。」
と言われた。違う解釈をされて安心する。
我にかえって、先ほどの思考を吹き飛ばすように、頭を振った。

(俺何考えてんだろ…)




結局、保健室に運んで様子をみることにした。
俺は休憩のギリギリまでいたいと我が儘を言って、阿部と巣山をグラウンドに帰した。
栄口は、軽い貧血で別に問題はないらしい。
(最近寝てないって言ってたもんね…)
しっかりものの彼は普段は大人っぽい印象だが、今は瞳が閉じられていて幼さが見える。
しばらく何もせずに見ていると、
「うーん…」
うなされているようで、栄口は急に険しい顔になった。
(何か怖い夢でも見てるのかな…?)
少しでも楽にならないかなと思い、頬を優しく撫でてみる。

「…う…ん……みずたに」
自分の名前を呼ばれたので、起きたと思って驚いて手を離す。
しかし、栄口の瞳が開くことはなかった。

「ごめ…水谷…ごめんね」

「……」

(栄口…もしかしてこの間のこと?それで悩んでるの?)

心がぽかぽかしてくる。栄口に思われてるって、それだけで暖かい気持ちになれる。
しかしそれと同時に罪悪感…だって栄口は何も悪くないのに、俺のせいなのに。
謝らなきゃいけないのは俺の方なんだ。

「栄口ごめんね。」
俺はもう1度栄口の頬を撫でた。