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野沢 菜葉
野沢 菜葉
novelistID. 23587
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きらきら星 【後偏】

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7
その日の放課後、俺はえりちゃんに呼び出された。
部活もあるので、部室棟の裏に来てもらうことにした。

『ごめんね。ちょっと気になることがあって。』
なんだか、いつもより漂っている空気が違う気がする…俺でもわかる。
『なんか、私たち付き合ってるのに、付き合ってる感じしないの。
 ふみきくんは本当に私のこと好きなの??』
「えっ?」
即答できずに戸惑ってしまったのがいけなかったのか、
えりちゃんの顔はますます険しくなってしまった。

『好きじゃないの?』
「えっ、どうしたの急に…好きだよ?」
『じゃあちゃんと証拠みせてよ!』
えりちゃんはそういうと俺の襟元を掴んで、自分の方に引き寄せた。
俺は体勢が崩れたため、慌てて立ち直ろうとする。


すると俺の唇に…

えりちゃんの唇が重なった。

「!!」
女の子らしい柔らかい唇。
肌はそれを感じているはずなのに…

何で?

なんでこんなときに


君の顔を思い出すんだろう…



「…っ」
俺はえりちゃんの両肩を掴んで、できるだけ優しく離す。

えりちゃんの瞳には不安そうな色が見える。
そっか、ずっと不安だったんだよね。俺バカだから、また人を傷つけているのに気がつかなかった。

「…ごめん。」
そういうとピクッと肩が動いた。
「…俺自分のことわかってなかったみたいだ。
 まだ自分の中で答えは出てないけど、気になっている人がいる。」
『…それって…?』
「えりちゃんにはすごい悲しい思いさせたし、ひどいことしたと思ってる…」
『でも、まだ好きじゃないんでしょ?』
「だけど、こんな曖昧な気持ちでえりちゃんと付き合えないよ。」
『私…責めちゃったけど、ふみきくんのこと嫌なわけじゃないよ。
 焦っちゃっただけで…だからっ』
「ごめん―――」