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こらぼでほすと 一撃5

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「アマギが、何か調達してくると言ってたから大丈夫だ。それに、ニールが、昨日、いろ

いろと作り置きしていたしね。」

 確実に寝込むのは確定しているので、前夜に動けるうちに、と、ニールが、いろいろと

作って冷蔵庫に放り込んだ。だから、食事は、どうにかなる算段だ。

「俺らも、こっちで食うから、なんか買ってくる。」

「そうだな、あっさりしたものばかりだから、自分たちのは調達してきなさい。」

 いってきまーす、と、シンとレイは出かけたが、その後、順々に、ニールの見舞いがや

ってきて、余計に食料関係は充実しちゃったりする。





 午後から、アマギが帰ってくると、トダカ家にアスランが顔を出していた。キラのため

だけに家事万能となった元ザフトレッドの男は、味噌汁なんぞ製作していた。アマギが帰

ってきたのを目にして、「お疲れ様です。」 と、挨拶してくれる。

「アスランくん? 」

「ああ、俺は、ただのパシリなんで気にしないでください。」

「はい? 」

「キラとラクスから見舞いを届けるように言われたので、お邪魔しています。ついでに、

ドクターも、点滴の待ち時間に食事するので、その準備です。」

 ドクターと一緒に、アスランもやってきたのだが、ニールに栄養剤とか、その他諸々の

入った点滴を施すことになって、その待ち時間に、トダカが食事してください、と、声を

かけたらしい。おかずもごはんもニールが準備していたから、汁物ぐらい製作しておくか

、と、作っているとのことだ。

「大袈裟じゃないか? 」

 わざわざ、見舞いが必要な病人でもないし、トダカのほうも安静にしていれば問題のな

い怪我人だ。

「暇つぶしなんですよ。俺は、今日一日フリーでして。」

 頼まれた用件だけ片付けたら帰ります、と、アスランも苦笑する。もちろん、大袈裟に

しているつもりはないが、キラに現状を教えてやるには、確認が必要だった。ついでに、

ひとりで食事するよりは、ここで大人数で食べたほうがアスランだって、楽しい。



 いつものことだから、たまに水分補給して寝かせておけば問題はない、というドクター

の診断に、一同、ほっとして食事する。

「あまり高熱なら連絡してください、トダカさん。それから、トダカさんも動き回らない

でください。クセになると、冬に痛い目に遭いますよ?」

「自重というか、アマギたちが煩いので安静にさせられています。」

「その割に、朝からニールの付き添いをしておられたんじゃありませんか? シンからメ

ールが来ていましたよ、トダカさん。」

 アマギの元に、ちゃんとシンからメールが入っていた。様子を見に行ったら、義父が椅

子に腰掛けてニールの付き添いをしていたから、午後からは横になるように注意して欲し

いという申し送りだ。

「そんなに長時間じゃない。おまえのほうはいいのか? アマギ。」

「はい、仕事のほうは調整してきましたから、これで二、三日は休めます。」

「ニールは、明日の午後くらいには起きられるから、それからは休暇を楽しんできたら、

どうだ? 年寄りの世話なんてするより有意義なこともあるだろ? 」

「あれば、こちらに来ません。」

 仕事以外の趣味がないアマギには、休日と言われても、これといってやりたいことがな

い。長いこと、軍人なんてやっていると、どうしてもそうなってしまう。トダカだって似

たようなものだ。

「アマギさん、趣味ってないんですか? 」

「そう言われてもなあ、アスランくん。」

「何か始めればいいじゃないですか。 特区のほうにいらっしゃる限りは、週休二日はあ

るんですよね? 」

「それだって、やれ研修だ会議だ、と、本国へ呼び戻されるから、あってないようなもの

だ。きみだって現役の時は、そうだっただろ? 」

「そうでしたね。」

 元ザフトレッドのスーパーエリートだって、現役の頃は、休みといえど、のんびりして

いられるものではなかった。だいたい、戦艦勤務なんかだと、休みといっても、どこかへ

寄港していない限りは、戦艦からは出られない。トレーニングルームで汗を流すか、部屋

で寝倒すぐらいしかないのだ。

「私は、ちゃんと趣味があるんだがね? おふたりさん。」

「「酒ですか? 」」

 トダカの言葉に、アスランとアマギが、同時にツッコミだ。見事な切り返しに、トダカ

は破顔して、そうそうと頷いている。





 食事が終わって、食後のコーヒーあたりで、ニールの点滴の待ち時間が満了した。解熱

剤やらの入用のクスリは、後で届ける、と、ドクターは帰る。アスランも、それでは、と

、帰ってしまった。

 座りっぱなしはよくない、と、トダカを寝室に追いやって、しばらくしたら、レイが帰

ってきた。授業が終わって、即効で戻って来たらしい。ママのほうは、俺が世話をします

、と、そちらの部屋に行ってしまった。そして、その後、小一時間もせずに、シンが果物

や自分たちの食事やらを運んできた。さらに、ハイネがドクターの調剤薬を配達して、八

戒からの漢方薬も届いた。なんていうか、ニールとトダカがダウンしていると、ここも賑

やかになるものだ、と、アマギは感心した。





 レイは、課題の資料を携帯端末で読んでいる。ゼミで発表するレジメを作るために必要

で、ここだと、他にやることもないから、資料は頭に良く入る。時たま、おかんの様子を

確認して、ひとつの資料を読み終わった。

「・・・・何してんだ?・・・」

 ふと、声がするので顔を上げたら、ニールが目を覚ましている。熱が下がったのか、少

し楽そうな声だ。

「ママの付き添いをしながら、課題の資料を読んでいます。・・・・水分だけでも取りま

せんか? 」

 できたら、何かお腹に溜まるものも食べさせたいのだが、こういう時は、あまり食べな

いので、そちらは期待しない。

「・・・うん・・・・」

 珍しく肯定されて、レイは台所へ走る。そちらには、シンがいて、冷蔵庫から、お馴染

みのオドロオドロしい液体の入ったペットボトルを取り出した。

「さっき、とうさんにも飲ませたから、ねーさんにもな。」

「じゃあ、口直しに、オレンジかバナナでも。」

「アスランがキラさんからの見舞いって、メロンを届けてくれたから、切ってある。」

 小ぶりに切ったメロンの入ったタッパーも渡された。いろいろと準備はしてくれたらし

い。レイとシンの晩御飯のおかずも買ってきてくれた。レイは先に行け、と、買出しは請

け負ってくれたからだ。

「ありがとう。」

「ねーさん、どうだ? 」

「少し楽そうだ。」

「明日の午後くらいまでは無理らしい。俺、晩飯食ったら帰るけど、おまえは居座るのか

? 」

「そのつもりだ。どうせ、明日は、三限目からだから、一端、家に戻って準備する時間も

あるしな。・・・・・フェルトの代わりにはならないが、多少でも役に立てばと思う。」

 ニールは、人の気配があると寝やすいのだと言う。特に、子猫たちが帰った後は、それ
作品名:こらぼでほすと 一撃5 作家名:篠義