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こらぼでほすと 一撃5

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「マシだ。てか、あれ、レイの親父さんなんだろ? いいのか? 」

「いいんです。明日、店に来ると言ってましたから、話があれば、その時にあるでしょう

から。」

「せっかく、こっちに来てんなら、おまえ、あちらさんと付き合ってやれよ、レイ。」

 レイは、元々はプラントの人間で、保護者も忙しい人だから、滅多に逢うことはない。

それなら、と、ニールは勧めるのだが、レイは、頑として受け付けない。

「ママは、俺が邪魔ですか? 」

「んなこと言ってないだろ? 」

「それなら、俺は、ここで付き添いをします。」

 きっぱり言うと、レイは、また携帯端末を開いて、データを読み始める。無理にでも追

い出したほうがいいかな、と、ニールは考えたのだが、それを読んでいたかのように、レ

イが視線を向ける。

「以前、俺は、ギルの命令が全てでした。それしかないから、それだけを実行していた。

ですが、キラさんと知り合って、信じるだけが良いことではないと学びました。今やりた

いことを優先するのが、時間の無駄がなくて後悔がないし、俺が自分で選んだことなら、

責任も持てる。今は、ママと過ごすほうが、ギルと過ごすより、やりたいことなので、追

い出したりしないでください。」

 ニールは、その事情を知らないから、深くは理解できない。レイには、時間がない。シ

ンと同じ様に成長して年老いてはいけない。半分の時間もないだろう。だから、やりたい

こと、心の天秤が傾く方向を優先することにした。人間が、一人でできることは、たかだ

かしれている。だから、できる範囲でやるんだ、というキラの考え方は、レイには優しい

ものだ。できる範囲なら、レイにもできる。やりたいことも、一番やりたいことから優先

すればいい。今は、そう考えている。

「・・・・わかった。」

「ありがとうございます。・・・・俺は、あなたがいると心が落ち着きます。」

 ただ、背後から見ていてくれるニールの存在は、レイにはなかったものだ。先を進んで

いるのではないから、目指すものではない。けど、ふと、休む時には欲しいものだ。

ニールは、レイの姿が急激に変化しても驚きはしても拒絶はしないだろうと思っている。

そのうち、逆の立場になるのかもしれない。

「俺が寝込んだら、付き添いしてくださいね? ママ。」

「当たり前だ。具合が悪くなったら、連絡しろよ? すぐに駆け付けるからな。」

「約束ですよ? 俺も寂しがり屋だから、付き添いしてもらわないと寝られませんからね

。」

「わかってるよ。添い寝でも付き添いでも、なんでもしてやる。約束だ。」

 この約束があったら、自分は、しばらくは元気でやっていられそうだ、と、レイは微笑

む。そうなったら、刹那に一時貸し出しの許可を貰わないと、エクシアで急襲されるだろ

うと思うと、おかしくて笑えてしまう。







 翌日の午後にようやくニールは倦怠感からは開放された。ちょっと微熱は残っているが

、これぐらいなら動けないこともない。まだ、ちと腰痛が残っているトダカのために、目

新しいものでも仕入てこようか、と、スーパーのチラシと相談していたら、アマギに叱ら

れた。

「熱は下がってないだろ? 」

「でも、これぐらいは、大したことじゃないと・・・・」

「疲れて、ぶり返したら、どうするんだ? チラシに〇をつけてくれたら、私が買ってく

る。それでいいだろ?」

 まあ、それでいいのだが、申し訳ないな、と、思いつつチラシに〇はつけた。それから

、それ以外のものはメモをする。

 それを手にして、アマギのほうは外出した。すでに、掃除は終わっているし、洗濯も乾

燥まで自動だから、これといってやることがない。先週、シンたちと約束していたシフォ

ンケーキは、型が必要で、それは寺にある。うー、なんだか、暇だなあーとソファに転が

っていたら、ピンポーンと呼び鈴だ。

 トダカ家は、セキュリティーがしっかりしている。マンションのエントランスからの呼

び出しだから、トダカーズラブの誰かが来たのか、と、ニールがインターフォンに出ると

、また、とんでもない声だ。ついでに、笑顔満開の有名だけど生モノは珍しい顔がある。

「おや、レイのママさん。」

「いっっ? 」

「トダカさんとあなたに、昨日の騒ぎのお詫びを届けさせて頂いたんだが、上げてはもら

えないだろうか? 」

「しっ少々、お待ちください。」

 と、一端、インターフォンを切って、トダカの部屋に駆け込んだ。あれ、あれ、生モノ

がっっ、と、要領を得ない発言で、わかってくれるのが、年の功だと思われる。

「ギルさんかい? 娘さん。」

「はいっっ、はいっっ。」

 たはーっと息を吐いて、トダカが起き上がる。一国家の代表を玄関払いをするわけには

いかない。上がってもらいなさい、と、言うしかない。慌てて、ニールが返事しに出てい

く。

・・・・・ギルさんの好みには該当してないと思っていたんだがなあ・・・・・

 キラが好き、キラを愛してると公言して憚らない議長から推測すると、ニールは年齢制

限にひっかかると思っていたのだ。エントランスの鍵を解除して、しばらくすると、家の

玄関の呼び鈴が鳴る。おっかなびっくり、ニールが玄関も開けると、そこには、やっぱり

、どっかの有名だけど生モノは珍しい議長が立っている。

「昨日は、失礼いたしました。改めて、ご挨拶に。」

「まあ、お上がりください。」

 背後には護衛もついているが、それらは入ってこない。荷物だけを、議長に手渡して外

へ出た。

 申し訳ないが、と、トダカが食卓の椅子を勧める。ここでないと座れないので、と、理

由を説明すると、議長も、そこに座りこむ。その前に、トダカが好きそうな吟醸酒とおぼ

しき箱を食卓に置き、花束はニールに手渡した。

「お加減はいかがです? レイのママさん。」

「はあ。」

「昨日は、大変失礼をいたしました。どうか、許してはもらえませんか? 」

「いえ、こちらこそ。まあ、座ってください、お茶でも用意します。」

「すまないが、私もスケジュールが立て込んでいて、用件だけ申し上げたら、すぐに退散

せねばなりません。」

 ただの休暇と言っても、議長様も暇ではない。地上に居るなら、と、アポイントは山ほ

ど入って来る。それらをこなしているので、時間は、あまり取れないのだとおっしゃる。

なら、来るな、と、ニールは内心でツッコミだ。

「どのような御用件ですか? ギルさん。」

「お礼を申し上げたいというだけなんですよ、トダカさん。レイが、定期連絡の折りに、

あなたの娘さんが、母親代わりをしてくれる、と、そんなことを嬉しそうに話すので、ど

うしても逢って、お礼を申し上げたかったんです。」

 定期連絡と称して、議長様は、レイと連絡を取りつけている。学校のこと、「吉祥富貴

」のこと、などが、報告内容だったのだが、ある時から、「俺のママについて」 が増え

た。あまり感情面の育っていなかったレイが、「吉祥富貴」に参加して表情は豊かになっ
作品名:こらぼでほすと 一撃5 作家名:篠義