二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

東方無風伝 3

INDEX|17ページ/29ページ|

次のページ前のページ
 

 ガッと妖夢が横薙ぎに振った竹刀を受け止める。止められた、と判断するや否や、妖夢は後ろに跳び下がる。
 桜が咲き乱れ舞い乱れ、地に落ちた花弁は土に汚れる白玉楼に庭にて、俺と妖夢は竹刀を手に対峙していた。
 怪我も治ったことで修業が始まり、今は模擬戦闘中である。
 下がった妖夢に畳み掛けるように接近し、居合いの要領で刀を左腰から右肩へと振り抜く。またも妖夢は後ろに下がりそれを避ける。
 振り抜いた姿勢のまま固まる。其処に妖夢は鋭い突きを繰り出してくるが、それは身を捻ることで簡単に避けられる。
 次に妖夢は一歩踏み出し、間を詰める。今度は横に振るう妖夢。それを再び受け止めれば、妖夢は強烈な蹴りを繰り出してくる。
 腹に直撃する蹴り。唸り声を上げる暇も無く、怯む一瞬に妖夢は竹刀を振う。それを受け止めて、強引に弾き返す。
 そして、また一歩前進。振った竹刀は宙を切る。

「ちっ」

 舌打ちを一つ。
 屈み避けた妖夢は、跳ね上がるような月を顔面目掛け打ち出
してくる。

「あっぶね!」

 それは反らした顔を擦る。
 前が見えないそれは、大き過ぎる隙を作り上げた。
 妖夢は足を大きく振り上げる。その足先は竹刀を持つ右手にぶつかり、弾(はず)みで竹刀が手から零れ落ちる。

「ちっ」

 舌打ちをもう一つ。
 妖夢は落ちた竹刀を俺に奪い取られることが無いように、遠くへと蹴る。その一方で、妖夢の持つ竹刀は俺の首筋へと動こうとしていた。
 それを、バック転からのタンブリングで逃げる。
 妖夢は冷たい視線のまま、俺を追うことはせずに見つめるだけ。
 ちらりと、遠くの捨てられた竹刀の位置を確認する。今俺がいる位置と妖夢の立つ位置の、丁度中間地点にそれは落ちている。

「まだ、続けますか?」

 確かめるように言う妖夢。

「無論」

 そう返すと同時に、竹刀を手に取る為に走り出す。
 妖夢はそれを見てから、一瞬遅れて走り出す。
 流石妖夢だ。一瞬の遅れと言えど、妖夢の反射神経は素晴らしいもので、殆ど同時と言ってもいいくらいだった。これなら、竹刀を手にしても妖夢の刃を避けることは難しいだろう。
 後少し、と言うところで妖夢の間合いに入る。
作品名:東方無風伝 3 作家名:国城 龍耶