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家庭教師情報屋折原臨也9-1

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 二時間後、駅前。
静雄はデパートに来ていた。何をしようか考えた結果、無難にプレゼントを贈ることに決めた。一番無難な選択であったが、一番難しい選択だった。クリスマスイヴともあって周りを見れば人が大勢行き交い、男女の二人組がやけに目についた。
 そして静雄の横には、ある意味女性以上に貴重な人物が立っていた。
「珍しいね。兄さんが買い物なんて」
幽である。紺色のシンプルなロングコートに身を包み、サングラスも忘れていない。何人かがまさかと注意を向けるが、今のところ声はかけられていない。一人で行くのが躊躇われたため、ダメもとで連絡を入れたところ思わぬことに了承が得られた。
「あぁ、そうか?」
プレゼントを贈ると決めたのはよかったが、実際頭の中では何を買おうかと必死になって検索していた。正直学生が買えるものなんて限りがある。そして臨也の所得を勝手に考えると何を買えばいいのかさらに分からなくなった。
 それよりも。しばし考えを片隅に追いやって静雄は言った。
「よく休みとれたな」
静雄は幽が付き合ってくれたことに驚いた。特番に加え確か映画の撮影も続いていたはずである。
「今日は生放送とか中継、無かったから」
幽は少しだけ表情を崩して答えた。その答えに静雄は少しだけ納得した。収録番組なら事前にどうにでもできる。
実際は、幽はプロダクションに無理を言って休みをもらっていた。しかしクリスマス以降に休みを取る方がもっと困難であったため、また今までほとんど休みを取らず働いていたので、妥協してもらえたのであった。夕方はすでに予定が入っており、午前中に買い物をしようと考えていた。そこに突然の静雄からの誘いがあった。驚きながらも、久しぶりにとれる時間に幽は快諾した。

 特に行きたい店がなかったため、静雄はまず幽の後をついていくことにした。
 昇りのエスカレーターに乗りながら、幽は尋ねた。
「兄さんは折原さんに、だよね?」
「……まぁ、世話になったしな」
「何買うかって考えた?」
「いや、思いつかなくてよ」
「そう」
幽は手を顎に当てて考えた。
「あの人の場合、欲しいものは何でも自分買い揃えていそうだね」
「だよなぁー」
静雄はベルトに肘を置き溜息をついた。
 目的の階につき、エスカレーターから離れた。着いたのかと静雄は思ったが、そこは紳士服売り場ではなく、婦人服売り場だった。
 様々な音楽が流れ、いわゆる「可愛い」服が所狭しと並んでいた。
「俺も折角だから買おうと思ってさ」
「ぉお?」
思わず何を、と問い返しそうになったが、静雄は控えめな性格の少女を思い出した。実際に見たことは無いが、幽同様役者でありまたアイドルであるためテレビでは何度か見たことがある。確かに彼女のよく着ている服もこの階にはありそうだ。しかしさすがにこのフロアに男二人は、と思いながら、しかしそれをあえて考えようとせず静雄は幽の後を追った。
 視線を上にあげて店名を一つ一つ見ていくと、クラスの女子がよく喋っている店や紙袋で見覚えのある店などが目に入った。一着いくらぐらいするのだろうかと目についたコートの値札を見て、意外と高いもんだなと思った。なんとなく順番に見ていくと、納得できるものもあればこれがと驚くような値段がついている服もあった。
 ふと幽の方に視線を向けると、プレゼントともあって真剣に考えて見ていた。何か手伝ってやりたいとは思うが、助言できるほど通じているわけではないし、むしろ幽の方がセンスがある。かえって悩んでいるのだろう。
 邪魔をしないようにと思い、静雄は話しかけた。
「先上行って探してくる」
「分かった。あとでそっちに行くよ」
「おう、分かった」
静雄は軽く手を振って、上りエスカレーターのところにまで戻った。