ブルーバード
くどくどと続く土方の不満に沖田は気のない相槌をする。土方は、それが大層気に食わなかったらしかった。不機嫌な顔を一層幸せとは程遠い形に歪めて、それでも沖田にまっすぐ視線を合わせることだけは絶対にしないのだから、逆に感心する。今も微妙に目を逸らしたままでいる土方が、忌々しいとでも言いたげに沖田へ向かって吐き捨てるのを、だから適当に聞き流しそうになって沖田は一瞬呼吸をとめた。
「この鳥を見てると、お前を思い出す」
驚いたのだ。土方の言葉に。
ほとんど意識を違う場所へ飛ばしていた沖田は、青い目を丸くする。