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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 4

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 結局は、白玉楼の庭にてリリカと弾幕ごっことやらをやることになった。
 しかし俺が弾幕を放てないことを考慮して、少しばかりルールを変えてのことだ。
 リリカが弾幕を放ち、俺がそれを避けきれたら俺の勝ち。一度でも被弾したらリリカの勝ち、だそうだ。
 それだけを聞けば、リリカの方が有利だとは思うが、弾幕は必ず避けられるように放つのが弾幕ごっこの美学だそうで。
 距離を取り、お互い準備が出来た所でリリカが開始の合図をする。

「それじゃ、いっくよー!」

 そう言うリリカの目の前には一台のキーボード。リリカはプリズムリバー楽団のキーボード担当なんだそうだ。
 その小さな身体が隠れてしまいそうな大きなキーボードは、果たして弾幕ごっこに必要なのかね。等々と考えていれば、突然リリカはキーボードを引き始めた。
 一見静かな曲のようで、その中には不釣り合いな大胆さが含まれる。リリカは一所懸命にキーボードを引いているが、何かが物足りなく感じる。
 人は、心が無いと言うのだろうな。
 そんな突然のリリカのソロライブを聞いていれば、リリカの周囲の異変に気付く。
 赤と、青。
 その二色の弾が空中に浮かぶ。何もその数は一つ二つなんてケチなことは言わず、どんどん数を増していく。
 最終的には、数え切れないとくくれる程に。
 ……え、これ全部俺に避けろと?

「いや、ちょ、待っ」

「へへー」

 困惑する俺を見て、憎らしい笑顔を浮かべるリリカ。
 演奏を続けていた両手を振り上げ、叩き付けるように鍵盤を叩く。
 耳をつんざく轟音が鳴り響く。顔をしかめ、両耳を塞ぐ。
 その轟音に驚き、桜の木に止まっていた鳥どりは悲鳴を上げながら飛び去って行った。
 やがて、ゆっくりと轟音は小さくなっていき、最終的には音は消えた。
 耳鳴りと頭痛がする頭を振るい、顔を上げればその目と鼻の先には弾幕が。

「ほぅふ!」

「なにその悲鳴」

 顔を反らし、可笑しな悲鳴を上げながら寸でのところで避ける。
 リリカは笑いながら言ってるが、気にしてる暇が無い。
 次には赤色の弾幕が、その次には青色の弾幕が一斉に襲い掛かってくる。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶