二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

東方無風伝 4

INDEX|11ページ/29ページ|

次のページ前のページ
 

「にぃっ!」と気合いか悲鳴か、そんな一声と共に接近してくる赤い弾を避ける。
 赤い弾はつい先程まで俺が居た位置を通り過ぎて行く。
 それを視認してから顔を前に向ければ、其処には青い弾が。
 左脚を引き、半身にすることで寸前のところで避ける。
 次に気が付けばまた赤い弾が俺を狙って。それを避ければ直ぐ様青い弾が襲ってくると避け続けていれば、放たれる弾幕にパターンが有るに気がつく。
 リリカが放つのは赤い弾と青い弾の二種類。それぞれが決められた飛び方をしているようだ。
 赤い弾は、集中的に俺自身を狙って飛んでくるもののようだ。
 青い弾は、リリカを中心に俺を目掛けての扇状に放たれている。
 赤い弾を避ければ、次には扇状に放たれた青い弾を避ける。青い弾で移動出来る範囲を狭め、また赤い弾で俺を狙う。

「ふっ!」

 横に飛び込み前転をして赤い弾を避ける。次には青い弾が来ると解りきっているから、何処ならば安全にその次の赤い弾を誘導出来るか、一瞬で判断し駆け込む。
 リリカの弾幕は実に嫌らしい。
 赤い弾は先に俺が居た位置残るのだ。その残った弾が非常に邪魔で、青い弾以上に俺の行動を制限してくる。
 左に一歩踏み出し赤い弾を避ければ、次には俺の両隣に弾が。
 避けれない!
 にへ、と笑うリリカを見た。
 赤い弾が放たれた。

「まっだまだぁ!」

 大声を上げ自分に渇を入れる。
 大声に驚いたのか、びくりと身体を震わせたリリカを尻目に、先ず迫りくる赤い弾幕を半身になり避ける。
 そうすれば、ほら。
 今まで見えなかったものが見えてくる。
 一本の直線に連なる赤い弾幕だが、その一個一個には隙間がある。隙間と言っても、とても潜りぬけられるものではない。
 この隙間の中に身を投じるのはまず自殺行為。だが、もう其処にしか逃げ場は無いのだ。
 タイミングなんて計る暇なんて無い。
 ただその隙間に向かい跳び込んだ。
 ぢり、と着物を弾幕が掠り少しだけ破り去る。肌には、弾幕が触れたのか、少しだけ熱い感覚が。
 それでも、被弾した証拠である小さな爆発は起きなかった。
 俺は、避けきったのだ。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶