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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 4

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「ちょいと其処の」

「あ?」

 背後から裾を引っ張られながら呼び掛けられ、情けない返事と共に振り替える。
 其処には赤い少女、リリカが其処にいた。

「なんだ、何か用か?」

「宴会始まるまで、どうせ暇でしょ?」と決めつけた口調で言われる。

「いや、剣術の修行が有るから、暇ではないな」

 西行寺に話し掛けられ中断した素振りをまた行っておきたいし、その他にも色々と鍛錬を積んでおきたいと思っているところだ。

「いいから、付き合いなさい」

「……はい」

 胸倉を掴まれ、凄みのある声で脅迫されては敵わない。

「弾幕ごっこ。知ってるよね」

「知ってはいるが」

 以前、霊夢達が行っていたのを記憶の奥底から引きずりだす。
 確か色とりどり形とりどりの、弾幕と表した弾を撃ち合う遊び、だったか。

「やるわよ」

「無理」

 弾幕なぞ、見たことが有るのはあの一回切り。いや、この白玉楼を訪れる途中、魔理沙とルーミアとやらの弾幕ごっこに巻き込まれたか。
 だが、実際には俺は弾幕ごっこをやったことは無い。何より、俺は弾幕を出すことなぞ出来やしない。
 だからこそ、自分の身を守る為に剣術の修行を行っているのだ。

「無理じゃない。やるの」

 先程から妙に苛立っているような印象をリリカから感じる。
 一体何に苛立っていると言うんだ。

「リリカ、先程から君は何を苛ついていると言うんだ」

「ど、の、く、ち、がそれを言うかー!」

 胸ぐらを掴んだ両手を振るい、俺の身体を大きく揺さぶる。視界がぐらつき、最早何の景色も視界には入ってこない。
 取り敢えず、リリカを宥める為に声を掛ける。

「落ち着けリリカ!俺が何か悪いことをしたと言うのなら謝ろう!だから落ち着け!」

「謝って済ませるかものか!」

 逆効果だったのか、より一層激しく揺さぶられる。
 頭が体よりも遅れて動き、お陰で接続部である首がギシギシと悲鳴を上げ始める。
 マズイ、首がもげる……!

「西行寺……見てないで助けろ……」

「二人の問題にどうして私が入らないといけないの?」

 西行寺のそれは正論だ。だが、困ってる人間を助けようと言う気持ちは西行寺には無いのか!
 ……無いのだろうな。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶