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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 4

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 縁側に腰掛け、風間とリリカの弾幕ごっこを観戦している者が二人。
 一人は石竹色の亡霊。
 一人は黒色の騒霊。
 二人共言葉を交わす訳でもなく、静かにそれを眺めていた。

「只今、姉さん」

「何処行ってたの、メルラン」

 其処に一人の乱入者。白色の騒霊であり、黒色の騒霊の妹だ。

「御手水(おちょうず)よ。さっきの馬鹿みたいな轟音はリリカのでしょ」

「うん。風間さんとリリカが弾幕ごっこを始めたの」

 白色の騒霊はちらりと弾幕ごっこをしている二人に目を向け、黒色の騒霊に問う。

「戦況はいかほど?」

「六対四ってところ」

「やっぱりリリカ一人じゃ厳しいかー。まぁ、所詮リリカだもんね」

「……逆。リリカが優勢」

「さっすがリリカ。私達の妹なだけあるね」

「……」

 一転するメルランの態度に呆れたのか、業とらしく溜め息を吐くルナサ。
 それでも、二人にとっては日常的なやり取りなのだろう。ルナサの顔には笑みがある。

「十対零よ」

「お?」

 つい先程まで、無言を決め込んでいた西行寺が言った。

「どちらが勝つと?」

「貴女達の可愛い妹が勝つわ。風間が勝つなんてことは、絶対に無い」

「そう言い切る根拠は?」 「風間は弾幕ごっこを知らない。それが根拠よ」

「知らない……?」

 弾幕ごっこを知らないとはどういうことだろうか。弾幕ごっこはこの幻想郷では最もポピュラーな遊び。
 幻想郷に住まう者で、弾幕ごっこを知らないなんてことは無い。それほどまでに浸透している筈。
 あくまでも、幻想郷に住まう者なら。

「彼は、外来人なの?」

「えぇ、その通りよ」

「んー、でも外来人は時折凄く弾幕ごっこが強い人いるよ。風間は違うの?」

「彼は、弾幕を放てない。だから風間はあの娘の弾幕を避けきったら勝ちと言うルールを決めた。それが命取りなのよ」

「解った。つまり、風間さんは弾幕ごっこのルールを知らない」

「その通りよ」

「どういうことよ、姉さん」

「弾幕を避けきったらと言うルールは、スペルカードと言う区切りが無い。つまり、リリカは無尽蔵に弾幕を出せる」

「あ、成る程。リリカは幾らでも弾幕を放てる。その一方で、風間は避け続けないといけない。だけど、永久的に弾幕は避けれない」

 この弾幕ごっこに風間の勝利は有り得ない。無限に撃たれる弾幕を永遠に避け続けるなんて誰が出来ようか。
 これは、始めから勝敗が決まっていたのだ。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶