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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 4

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 結局、リリカの弾幕は俺に消され、決着はつかず。
 リリカと二人で、傍観していた西行寺達の元へと歩いて行く。その間リリカは不服そうな顔をしていた。

「能力開花、おめでとう、風間」

「有難う、西行寺」

 拍手しながら言う西行寺。彼女の称賛の言葉は、相変わらず気持ちが籠っていないが、素直に褒め言葉として受け取ろう。

「あれが、貴方の能力かしら?」

「ああ、そうだよ」

 あの桜の花弁を操った現象。それが俺の能力。

「花弁を操る程度の能力、ですか?」

「違うわよ姉さん。もっと別」

 ルナサの推測の能力名を、実際に体感したリリカは否定する。

「幻想郷では、能力名の後に『程度の能力』とつけるのだな。それならば、俺の能力は」

「風を操る程度の能力、ね」

 俺の言葉を遮って能力名を言うリリカ。
 少しむっとしてリリカを見れば、してやったりと言う顔のリリカ。
 ぬぅ、仕返しのつもりかこやつめ。

「じゃあ、風間は風を通じて花弁を操り、リリカの弾幕を消したと。そう言うことでいいのかな?」

「その通りだ、メルラン」

「言っちゃえば、貧弱な能力だけどねー」

 生意気なことを言うのは、リリカだ。と言うか彼女しかいない。

「リリカ、俺に恨みでも?」

「頭ぐりぐり。弾幕ごっこで恥じかかされた」

「あー、はいはい」

 どれも自業自得だと思うが……。

「時にリリカ」

「ん?」

「俺の能力が貧弱と言ったか」

「貧弱じゃない。ただ風を操るだけでしょう?」

 その通り、確かに俺の能力は風を操るだけに過ぎない。

「風を侮るな」

 言った途端、突如として吹き荒れる風。

「きゃあ!」

 突然現れた突風は、一瞬にしてリリカの帽子を奪い去り、尚もリリカ自身を攫(さら)おうとする。
 リリカは小柄な少女だ。直ぐに攫うことくらいは出来る。

「ストップストップストップ!」

 リリカのその声に反応するように、風は急に止む。

「解ったか?」

「解ったから帽子返してよ!」

 噛み付くように言うリリカ。
 はいはい、と半ば適当な返事で、風を操り飛ばされた帽子を回収する。
 ほれ、と帽子を手渡そうとすれば、引っ手繰る様に奪い取るリリカ。
 いやはや、やっぱり嫌われたなぁと少し反省しつつも、やっぱり反抗的なリリカの様子を楽しんでいる自分がいる。
 何処も反省していないことに、反省。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶