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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 4

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「どうせ、またあんたが主犯なんでしょ」

「失礼ね、まるで私が犯罪者みたいに」

 そう言って西行寺は霊夢の頭を撫でる。
 開いた手の中には、桜の花弁が一枚、収まっていた。

「以前みたいに春を奪ったわけじゃないわよ」

「じゃあ何よ。借りただけとでも言うつもり?」

「貰っただけよ。貰い物は有効に使わないと」

「……まさか、紫が?」

「さぁ、どうかしら」

 紫、と言うのは、まさか八雲紫のことか?
 それなら、霊夢はあいつの知り合いと言うことだろうか。も
しかしたら、西行寺も。

「どうしたものか……」

「どうした、風間?」

 俺の呟きが聞こえた魔理沙が、案ずるように聞いてくる。
 なんでもないさ、と返事をして西行寺と霊夢の二人を見る。
 霊夢は先程の西行寺の曖昧な言葉を肯定の意として受け取っていたようで、西行寺に喰ってかかっていた。

「さて、妖夢。二人は放っておいて俺達は行くとするか」

「えっと、何処にですか?」

 妖夢のその言葉に苦笑いを漏らしつつ、俺は手に持つ手提げ袋を妖夢に見せびらかすように持ち上げる。

「あ……」

 どうやら霊夢が巻き起こしたごたごたで、妖夢はうっかり忘れてしまっていたようだ。

「さぁ、行こう」

 西行寺と霊夢と魔理沙を置いて、二人で台所へと向かう。

「あの……」

「ん?」

「幽々子様の言っていたこと、風間さんはどう思いますか?」

 その途中で、妖夢は聞いてきた。

「なんのことだか解らないな」

「春についてです。霊夢さんの頭から取ったと言っていますが、さっきは紫様が持って来たといっておりましたので」

「なんだ、そんなことか」

 春の出所は一体何処なのか、妖夢はそれを気にしているか。

「霊夢の頭から取ったのならば、霊夢に言った嘘は霊夢に気付かれないためだろう。八雲紫から貰い受けたのならば、あの八雲だ。なんの心配もないだろう」

「どちらでもないとしたら?」

 ……成る程、妖夢はそれを心配しているのか。

「単純に、西行寺が幻想郷の春を奪ったものならば、何れ霊夢が片を付けるさ。何も俺達が心配することじゃない」

 だってそれは、ただの自業自得にしかならないのだから。
 それに、これが答えとは決まっていない。もしかしたら本当に霊夢の頭から取ったかもしれないんだ。
 今心配することじゃない。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶