二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

東方無風伝 4

INDEX|23ページ/29ページ|

次のページ前のページ
 


 二人掛りだったからか、遅くなると思っていた料理も無事出来上がり、それを広間へと運ぶ。
 襖(ふすま)を外し、中央に長テーブルを設置したとても広い部屋。其処に妖夢と共に運ぶが、たった二人の作業だ。どうにも時間が掛ってしまう。
 客人八人に、俺と妖夢と西行寺の計十一人分の料理を運ぶのだが、誰も手伝おうとはしない。
 寧ろ、邪魔をする。

「魔理沙、摘み食いは感心しないな」

「風間、料理は食べられる為に、作られるものなんだぜ」

「その前に、綺麗に盛り付けることで、ひとつの芸術として完成するんだよ」

「別に見た目なんて良いじゃない、美味しく食べれば」

「……霊夢が言うと、なんか説得力あるな」

「どういう意味よそれ」

「いや別に」

 本当に食べ物が無い時は、雑草でも齧っていそうな想像が頭を過(よ)ぎったのだが、勿論、本人を前にしては言わない。

「幽々子様も、リリカさんも、摘み食いは駄目ですよ」

「ぬ」

「目敏(めざと)いわね、妖夢」

「お前ら……」

 霊夢と魔理沙の相手をしていた俺の目を盗んで、西行寺とリリカが摘み食いをしていたようだ。
 妖夢が窘めるものの、聞く耳持たずと言った様子でまた摘む。

「別に良いのよ、ただ美味い物食べて、美味い酒呑んで、楽し
く騒ぐ。それが宴会よ」

「その美味い飯を、自分達で減らしてどうすると言うんだ」

「宴会は、もう始まっているのよ」

 そう言いながらも、箸を伸ばす西行寺。
 堂々としたその態度には、もう呆れるばかりである。

「ほら、お客様達に料理を振舞いなさい」

 西行寺が箸で示さす客人達。
 霊夢、魔理沙、プリズムリバー三姉妹の計五人の客人達は、既に好き勝手に料理に手を付けていた。
 ……五人?

「西行寺、客人は八人ではなかったか?」

「ええそうよ」

「五人しかいないが」

「遅れているだけでしょ」

 ああ、そうか。極単純に遅れているだけか。
 そう思って、さて給仕を続けようとした時。

「ごめんくださーい」

「噂をすれば、ね」

「噂をすれば、だな」

 白玉楼に、新たな客人の声が響いた。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶