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国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
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東方無風伝 4

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「いや、私なんてまだまださ」

「謙遜することではないだろう。式神の使役は誇ってもよいことだ」

「私ではまだ、紫様の足元にも及ばないさ」

 ……そうですか、そうでしたか、そうなんですね。

「……紫様、とは?」

「私の主人だよ。こう見えて、私も式神なんだ」

 な、なんだってー! 今起きたことをありのままに話すぜ。藍が式神だと思ったら、八雲紫が主人だった。とふざけるのも大概にしよう。
 やはり、藍は八雲紫と繋がりがあったのか。それも、主従関係のようだ。
 しかし、式神ねぇ。

「藍は自身、式神でありながら式神を使役するのか。凄いな」

「紫様の力の御蔭さ」

 藍はそう言うが、少し照れているようだ。やはり自分の能力を褒められると嬉しいものか。
 今は八雲紫のことを気にしても、どうにか出来るわけではない。藍が八雲紫と繋がりが有ると言うことには、こちらの情報をあまり漏らさぬように気を付けるしかない。藍は俺が八雲紫を畏れ、敵視していることを知らない。

「その、紫様ってのは」

「紫様は、とても強い力を持った妖怪さ。幻想郷をこよなく愛し、幻想郷を守護する御方さ。尤も、最近は寝てばかりで、仕事の殆どは私がやっているがね」

「ご愁傷様」

「どうも」

 あいつの強力な能力の反動か、あいつは何時も寝てばかりだった。
 ――――境界を操る程度の能力。
 物事の境目を操る能力だった。
 闇と光、海と陸、空と大地、静と動、生と死。
 この世の基準を根底から覆す、神にも等しい力。それが八雲紫だ。

「何をやっているの、風間」

「あ?」

 西行寺が咎めるように俺を呼ぶ。
 なんだと言うんだ突然。

「お客様がいらしたのよ。早く料理を持ってきなさい」

「……給仕係ではないのだがな」

「何か言ったかしら?」

「いや何も」

 そう言えば随分と立ち話をしてしまった。妖夢一人に全てをやらせるわけにはいかない。

「私一人でも、大丈夫ですよ」

「大丈夫だからと言って、大変なのは間違いなかろう」

 何時の間にか聞いていたのか、何時も通りに一人で頑張ろうとする妖夢を制し、配膳を再開する。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶