二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

東方無風伝 4

INDEX|26ページ/29ページ|

次のページ前のページ
 

 
「おら風間も呑めー」

「呑めー」

 魔理沙とリリカが無理矢理に酒を進めてくる。
 宴会は始まり荒れた部屋。あれだけ用意した料理の殆どはなくなり、後は酒を呑んで皆騒ぐだけである。
 魔理沙とリリカの進める酒を一気に煽る。

「よし、次!」

「次―!」

「いい加減にせい」

 俺が呑んだのを確認すると、魔理沙とリリカは次の酒を持ってくる。
 先程からずっとこの調子だ。
 魔理沙とリリカの顔は、茹でられた蟹のように真っ赤。近づけば酒の匂い。この二人は、とうの昔に酔っ払っているのだ。
 酒を呑むのは構わない。なにより楽しいことだ。だが、酔っ払う程には呑みたくはないな。
 酒は呑んでも呑まれるな。これは酒を嗜む時の鉄則だ。
 だが、二人はそれにお構いなしと言わんばかりに酒を呑み、酒を進めてくる。
 絡み酒程厄介なモノはないな本当に。

「モテモテねぇ」

「からかうな。助けろ」

「有料よ」

「前言撤回」

 霊夢に助けを求めるが、請うだけ無駄だった。
 霊夢はこんなやつだとい、そろそろ俺も学習しようか。

「妖夢ー、は寝ているのか」

「ええ。この程度で潰れるなんて、主として恥ずかしいわ」

 眠る妖夢の髪を撫でながら言う西行寺。こうして見ていると、本当に親子のようだ。
 ふと他の連中はどうなっているのかと思い回りを見渡せば、ルナサ、メルラン、霊夢の三人は静かに酒を嗜み、妖夢と橙は酔い潰れたのか、眠ってしまっている。藍は西行寺と同じように橙の頭を膝に乗せ、頭を撫でている。
 酒を静かに呑む三人と、眠った二人と、母親のような行動を取る二人と、酒に酔う二人と、絡まれる一人。
 今この宴会場を支配しているのは、実質二人だった。無論、その二人とは酔っ払った者達のこと。

「ほれ風間口を開けろ。私達が呑ませてやるぜ」

「魔理沙、口を開けろ」

「んあ?」

「ほれ」

 間抜けに口を開けた魔理沙に、酒瓶を突っ込む。まだ大量に酒が入っている瓶だ。
 酒は重力に従い魔理沙の口内を支配し溢れていく。その過度のアルコール摂取により、漸く魔理沙は潰れる。

「まず一人」

「ひうっ!」

 俺の呟きに、リリカが小さな悲鳴を上げる。
作品名:東方無風伝 4 作家名:国城 龍耶